研究課題/領域番号 |
18K12825
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
井澤 龍 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (30761225)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 経営史 / 経済史 / 国際経営 / 国際税務 |
研究実績の概要 |
研究期間中、3回の研究報告を行い、2本の論文を発表した。 【研究報告について】①第2回世界経営史会議・第24回ヨーロッパ経営史学会にて、国際課税史に関する自身の報告、租税史セッションにおけるディスカッサント(プレゼン報告)を務めた。特に自身の報告「Encounter with Tax Havens: Japanese Experiences, 1945-2020」では、2019年度の研究成果をさらに発展させ、日本多国籍企業と国際課税問題について、会計事務所の国際化あるいは国際会計事務所の日本進出という観点を加えた報告を行い、日本多国籍企業研究の深耕に寄与しただけでなく、国際課税史研究における新しい研究アジェンダを提示した。②関西大学経済・政治研究所主催の第244回産業セミナーで発表した「変動期における制度変化論―「社会」の要素に再注目する」では、本研究課題が注目する国際課税という「制度」を、より一般的な観点から論ずることを制度経済学者との共同により試みた。 【研究論文について】②の研究報告に基づいて、関西大学経済・政治研究所が発行する『セミナー年報2022』にて論文を発表した。また、東京都立大学大学院経営学研究科 Research Paper Seriesにて、企業史料論に関する論文も発表した。このリサーチ・ペーパーでは、20世紀におけるイギリス大企業の企業史料保管・散逸状況をまとめたリストを作成した。この成果は、本研究で事例とする企業の代表性を論じるにあたって、その基礎を提供するものであり、この点から本研究課題についても実績となるものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による渡航制限により、研究史料・研究報告機会が大幅に制限された年度となった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度も新型コロナウイルス感染症による研究史料のアクセス制限は、コロナ禍以前の水準には戻らないと考える。外国史研究者にとって状況は引き続き厳しいが、現有の史料、日本国内でアクセス可能な史資料を入手し研究を進める予定である。研究報告、論文執筆の機会についても同様に可能なことを行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
渡航制限により、当初計画の在外史料調査が不可能となった。これが次年度使用額の発生理由である。今年度は史料調査の可能性が高まるが、可能な場合であっても過度の支出は行わないよう、効率的な研究費使用を行う。
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