研究課題/領域番号 |
18K12826
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小田 愛 (久野) 京都大学, 経済学研究科, 講師 (00812687)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 学術史の理解 / 分析枠組みの深化 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
主に出版されている二次文献に基づいた関連分野の学術史の理解を深めることと、手元にある収集史料の分析を行なった。また、コロナ禍で海外渡航ができなかったため、調査先を日本国内にも広げることとし、国内の図書館やアーカイブでの調査を小規模ながら実施した。具体的には、味の素文化センター(東京)にて、日本における食文化史について調査を実施するため、19世紀末から20世紀にかけて出版された古い料理本や著書、また「料理の友」などの女性誌を1巻ずつみていき資料収集を行った。 また、五感と消費文化の研究のためインダストリアルデザインの歴史についても調査を行い、金沢市にある柳宗理デザイン研究所にて短期間ながら資料収集を実施した。今後、海外にて調査ができるようになった際には、アメリカのハグリー・ライブラリー等に所蔵されているアメリカ人インダストリアルデザイナーとの比較分析を行う予定である。 これら日本における一次資料の調査に加え、研究書(二次文献)を幅広く読むことで本研究の枠組みや関連する学術史に関する理解を深めた。この結果、これまで専門としてきたアメリカ史研究のみならず、哲学や技術史、文化研究など幅広い学術分野に跨って研究のアプローチや分析を広げる可能性を見出すことができた。 当初の予定では海外調査を行う予定であったが、予定を変更し今年度は書籍の購入に大部分の研究費を使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、アメリカ及びヨーロッパの図書館やアーカイブで調査を実施する予定であったが、コロナ禍で海外渡航が難しく、また多くのアーカイブが閉鎖中であることから、一次史料の入手ができていない状況である。状況が改善され次第、速やかに海外アーカイブでの調査を再開する予定である。また、国内でも以前ほど自由に調査に行くことが難しいため、アーカイブにおける資料収集が予定通りにはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、海外調査が再開できるまで、主に二次文献に基づいた予備調査や学術史の生理に尽力する。また、著書出版に向けて出版社との交渉を始める予定である。また、海外渡航が再開できない場合には、なるべく国内でのアーカイブ調査ができるよう調査可能なアーカイブを選定し、史料収集をなるべく早く再開できるよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初は、海外渡航のための旅費として研究費を使用する予定であったが、渡航できなかったため大幅に研究費が余ることになった。文献購入などにより物品費に多くを費やしたものの、予定通りの調査ができず、次年度使用額が生じた。
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