研究課題
本研究の目的は、近代日本の産業化の過程で生じた山林負荷を用途(産業)別に推定するとともに、その差異をもたらした要因を解明することである。具体的な内容は、①木材消費量に加え、新たに面積(伐採面積ー植林面積)、木材原単位(木材消費量/財・サービス生産量)を評価軸に加えて用途別に山林負荷を測定すること、②植林・木材節約・木材輸出入などの木材市場の変化に対する木材供給者・需要者・政府の対応を考察すること、の2つで構成されている。本研究の最終年度にあたる平成31(令和元年)度は、昨年度不十分に終わっていた資料収集を行いながら、①と②の分析を進めた。その結果、木材消費量によっていた従来の山林負荷の評価とは異なる結果が導き出された。第1に、各用途の山林負荷は木材消費量に必ずしも比例せず、政府や木材業者による植林や木材需要者による節約のあり方などに規定され、時期的に変化していたことが明らかになった。第2に、用材の中で最も消費量の多かった建築用材の山林負荷は、従来の評価より大きく下方修正された。以上の内容を、学会や研究会で発表するとともに、ディスカッション・ペーパーにまとめて発表し、査読付き雑誌に投稿した。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)
Discussion Papers in Economics, Graduate School of Economics, Nagoya City University
巻: 654 ページ: 1-24