本研究課題は、イギリス鉄道技師の分析を通して、関係性・ネットワークを明らかにし、彼らのルーツと役割・業績・影響力について、鉄道業の生成・発展との関連の中で再評価することを目的としている。まず、18世紀から19世紀前半にかけて、土木技師と炭鉱・機械技師のネットワークについては排他的・競争的側面がある一方、時に協調的側面も有し、関係性は複雑であった。また、土木学会(ICE)会長等の分析を通して、初期は道路・運河・併設軌道等の土木技師が中心であったが、次第に鉄道技師が多くなる傾向が見られた。さらに、公式及び非公式帝国における鉄道などインフラ整備において、コンサルタント技師が重要な役割を果たしていた。
|