研究課題/領域番号 |
18K12832
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
章 胤杰 同志社大学, 商学部, 助教 (90815549)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小売国際化 / コンビニエンスストア |
研究実績の概要 |
本研究では、中国における日系コンビニエンスストアの事業展開に関する複数事例研究を通して、現地適応の実態を明らかにすると同時に、国際展開におけるビジネスモデルの変容の条件とあり方を検討することが目的である。以下は年次計画に照らして、2019年度の実施状況を報告する。 (1)文献資料の収集と分析:2019年度は計画の通り、流通論、国際経営、中国小売業、中国における日系コンビニエンスストアの事業展開などについて、データや資料の収集および文献レビューを行った。 (2)ヒアリングと現地調査の実施:2019年9月に、青島ミニストップを訪問し、中国における同社の事業概況、出店戦略、サプライチェーン構築、商品開発、人財育成などについてインタビュー調査を実施した。そして、同月には青島ミニストップのベンダーである青島チルディーを訪問し、インタビュー調査および工場見学の実施を通して、サプライチェーン構築における現地適応の実態を把握した。また、前年度に調査したローソンについては、中国事業担当にメール等で追加のヒアリングを実施した。 (3)研究会や学会での報告、論文執筆と投稿:これまでの研究成果をまとめ、2019年9月開催のアジア経営学会第26回全国大会(於:小樽商科大学)において、「中国における日系コンビニエンスストアの商品供給システム」というテーマで研究報告を行った。また、2019年12月開催の産業学会2019年度中部部会(於:同志社大学)においては、「中国における日系コンビニエンスストアの商品調達と商品供給システム」というテーマで報告した。学会等でいただいた学術的意見を踏まえて論文を執筆し、現在は投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度の実施状況からみて、本研究課題の進捗状況は「やや遅れている」である。以下ではその理由を述べる。 まず、研究実績の概要で報告したように、資料収集、文献レビュー、一部の現地調査、学会報告、論文執筆などは計画通りに実施できたため、進捗は「おおむね順調に進展している」である。 しかし、2020年3月に計画していた広州・北京における日系コンビニエンスストアの現地調査は、新型コロナウイルスの感染拡大および外務省の渡航中止勧告を受け、年度内で実施できなくなった。本研究課題の遂行における現地調査の重要性を鑑みて、次年度での実施に変更せざるを得ないが、それゆえに今年度の進捗状況は「やや遅れている」となる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の実施状況や進捗状況を踏まえ、次年度では①広州・北京における日系コンビニエンスストアの事業展開に関するインタビュー調査と現地調査の実施、②研究成果の分析と論文執筆、などを通して本研究課題を遂行していく。また、新型コロナウイルスの感染拡大により現地調査の実施が困難となった場合には、適宜に対策を講じる。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年3月に広州・北京における日系コンビニエンスストアの事業展開に関する現地調査を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大および外務省の渡航中止勧告を受けて実施できなくなり、旅費等が次年度使用額として生じた。次年度使用額は、2020年度分と合わせ、広州・北京における現地調査にかかわる旅費や、研究成果の分析、学会報告、論文執筆などの研究課題の遂行に使用する。
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