| 研究課題/領域番号 |
18K12838
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| 研究機関 | 新潟大学 |
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研究代表者 |
木村 裕斗 新潟大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (10809883)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 創造的パフォーマンス / チーム学習行動 / 創造的思考態度 / パーソナリティ / 批判的思考態度 / 会話分析 / 暗黙的調整 / 態度変容 |
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| 研究実績の概要 |
職場における創造的問題解決やパフォーマンスに対して，組織内及び高等教育機関において形成される推論，論理的・批判的思考といった高次認知能力が重要な要因となる可能性がある。しかしながら，組織内及び高等教育の中で，組織で必要とされる高次認知能力を獲得する学習プロセスや，それらが職場での創造的パフォーマンスに結びつくまでのメカニズムは未だ統合的に解明されていない。したがって，本研究では職場内の学習(知識相互作用)プロセスと高等教育における学習プロセスの両面に着目し，組織で必要とされる高次認知能力の形成にアプローチするとともに，それらがいかにして職場における創造的パフォーマンスの遂行につながるのかという統合的メカニズムを明らかにすることを目的とする。
令和２年度は，前年度に学会発表を行った研究データをベースとして，論文の執筆・投稿を進めた。第一は，個人特性と集団の振る舞いの相互作用に着目し，創造的思考態度の影響要因を検討した研究である。分析の結果，(1)協調性が高い者は，他者の活発なチーム学習行動を認知することで，かえって積極的拡散傾向が低減してしまうこと，(2)誠実性の低さは積極的拡散傾向を高めるが，他者の活発なチーム学習行動を認知すると性急な収束傾向が高まってしまうことが明らかになった。この研究成果は査読つき英文雑誌に掲載された。
第二は，複数組織の協働による産学連携のミーティングを事例として，会話分析アプローチによるメンバーの態度変化の記述を試みた。その結果，メンバー間で相補的な発話パターンが生起し，暗黙的協調によりあえて対立する態度を表明しながら集団全体の態度変容を進める様子などが確認された。この研究成果は2021年4月時点で海外ジャーナルへの掲載が決定している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画において，今年度は質問紙調査による職場のプロセスとパフォーマンスを分析することを予定していた。当初計画とはやや異なるものの，今年度は質問紙調査と会議の音声データの分析を行うことができた。これらの研究成果は既に論文化し，掲載が決定している。
また，関連研究としてM&A企業における協働とパフォーマンスを検討し，組織文化とコンフリクト解消方略の関係性について国際会議で発表し，海外ジャーナルに掲載された。
以上のことから，現在までの進捗状況としてはおおむね順調に進展していると判断できる。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究の総まとめとして，300名規模の職場に対するアンケートを実施することを予定している。具体的には，現時点で職場における創造的な逸脱行動に関する研究レビューを済ませており，これに関連して個人・集団・組織レベルの変数がどのように作用するかを検討する研究デザインを設計した。これに基づいて調査・分析を進め，研究成果の発表を目指したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響により，予定していた学会発表およびインターネット調査を延期したことにより，次年度使用額が生じた。残額は令和３年度において，インターネット調査，海外ジャーナル投稿のための英文校正費用およびオープンアクセスジャーナルの掲載料等で使用することを計画している。
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