本研究は自発性の高い組織構成員が日常生活と未分離の認識で行う業務上規定されない活動を自発的非正規行動と定義し,構成員のこれに対する意欲と,人間関係要因,成果要因との関係を明らかにすることを目的とした.調査の結果,次の知見を得た.(1)組織志向の自発的活動への意欲と組織コミットメントの間に強い正の相関がある.(2)個人志向の自発的活動への意欲を構成する要因として「自己研鑽」「社外の仕事への従事」「社会貢献」の3つの因子があり「社会貢献」のみ組織コミットメントと弱い正の相関がある.(3)組織志向の自発的活動の量と組織外部との交流の多さは正の相関があり,短期的なパフォーマンスと弱い負の相関がある.
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