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2022 年度 実績報告書

ダイバーシティ経営における知識の構成・再構成プロセスの探究

研究課題

研究課題/領域番号 18K12841
研究機関神戸大学

研究代表者

庭本 佳子  神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (70755446)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード技能 / 知識 / 知的熟練 / メタ・コンピテンシー / 多様性
研究実績の概要

本研究の研究課題は、「ダイバーシティ経営における知識の構成・再構成プロセスの探究」である。本年度は、前年度の追加的文献調査、学説史的分析をもとに、競争優位を実現する多様な知識の結合メカニズムが示され、知識を発揮する個人のメタ・コンピテンシーの重要性が明らかにされた。
HRM論領域において職能経験とスキルの広さや深さに関する研究は多い。とりわけ日本では、ブルーカラー労働者の知的熟練論の実証研究が蓄積されてきた。こうした国内外の研究を学説史的にレビューし、理論概念のレベルにおいて、仕事経験、個人のスキルや能力、資源ベース視角による競争優位(RBV)などに関わる諸概念の内実が明らかにされるとともに、概念間の関係性が考察された。
加えて、2018年より展開してきた日系大手電機メーカーP社との共同調査プロジェクトにおいて、従業員約3万人を対象にコンピテンシー及びスキルに関する大規模サーベイ調査が実施され、異動や海外勤務経験、転職経験など、従業員の職務経験に関する人事データと、従業員の知識を構成するメタ・コンピテンシーやコンピテンシー、行動特性、性格特性にわたる広範な人材アセスメントデータが得られた。これらのデータをもとに、社員の性別や年齢、仕事の経験年数、社内外ネットワーク、メタ・コンピテンシー等の関係が広く分析された。
個人が組織に対して知識を提供するための基盤として、メタ・コンピテンシーは重要である。メタ・コンピテンシーには、年齢、多様性の受容の程度、Big-Fiveの中の開放性と情緒安定性が大きく影響を与えていることが示された。とりわけ開放性に関しては、組織にとって、重要な政策変数になりうる。仕事経験の積ませ方・経路、他者との協働学習機会の付与によって、開放性を伸長していくことができるからである。企業組織にとって今後の知識マネジメントの具体的な課題であることが示唆される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [国際共同研究] Babson University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Babson University
  • [雑誌論文] 学史研究と実証研究の対話2023

    • 著者名/発表者名
      上林憲雄・庭本佳子・貴島耕平・磯村和人
    • 雑誌名

      経営学史学会年報

      巻: 30 ページ: 85-100

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 経営戦略論から見る知的熟練の意義2022

    • 著者名/発表者名
      庭本佳子
    • 雑誌名

      日本労務学会誌

      巻: 23 ページ: 16-23

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 経営学史研究と実証研究とが架橋される可能性と課題2022

    • 著者名/発表者名
      庭本佳子
    • 学会等名
      経営学史学会
  • [図書] Translating and Incorporating American Management Thought into Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Mitsui, I., Isomura, K., Takeuchi, Y., Niwamoto, Y., Kambayashi, N., Isaka, Y., Shimada, H., Sakurada, T., Takahashi, T., Watanabe, Y., Yamaoka, T. and Hirano, K.
    • 総ページ数
      186
    • 出版者
      Springer
    • ISBN
      9789811945410

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公開日: 2023-12-25  

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