研究課題
若手研究
本研究の主な成果は、現在の支配的な板ガラス成形技術であるフロート法の進化の歴史を振り返り、特許出願動向のデータなどから、技術ライセンスのあり方が当該技術に関する認識を統合(平準化)し、その契約期間が終わりを迎える頃には、各社の技術認識(とりわけ技術的限界に関する認識)に従って、(技術的な知見に大きな差がないはずにもかかわらず)異なる進化が見られる可能性を指摘したことにある。
経営学
現在、日本における多くの産業では成熟化が進んでいる。それに伴い日本企業が得意とする分野や技術も新しいものとはみなされなくなった。技術マネジメント研究では、新技術側が旧技術に対してどのように勝利するかという視点で語られることが多いが、旧技術側(多くの日本製造企業が分類される)がうまく立ち回って競争力を維持していることも少なくない。本研究の意義は、当該技術に対する認識の差が、(成熟化後の)さらなる成長に影響する可能性を示唆したことにあるだろう。