本研究の結果から、従業員の離職において「仕事上の要因(on-the-job-components)」だけでなく「仕事外の要因(off-the-job-components)」も影響を与えることが確認された。具体的には、「経済的な負債の有無」や「転職観」などの私的要因が、従業員の離職行動に影響を与えることが明らかとなった。これまで、企業は従業員の離職を防ぐために「職務満足」、「給与・待遇」、「職場の人間関係」など、仕事上の要因に注意を払ってきたが、今後は仕事外の要因にも目を向ける必要がある。また、年代によっても離職要因が異なることが確認されたため、年齢に応じたサポートをしていくことが重要である。
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