研究課題/領域番号 |
18K12847
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
琴坂 将広 慶應義塾大学, 総合政策学部(藤沢), 准教授 (20706569)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 制度理論 / 創発的戦略 / 新興企業 / 多国籍企業 |
研究実績の概要 |
本年は、昨年度から調査を進めていた新興企業の事業創造の調査の結果に基づいた書籍の出版を行い、またそれをもとにした追加のインタビューの実施を行った。また、新興企業の創業に関する先行研究の網羅的なレビューを行い、その結果を学術誌に投稿した。 新興企業の事業創造の調査結果に関しては、一定の法則性、定石を見出すことに成功したため、これらを書籍にまとめ、より幅広いオーディエンスに届けるため、学術論文としての出版よりも、一般に向けた研究成果の発信を優先して先行させた。その結果、多数の新興企業の経営者から参考になったとの連絡を受け、また今後の調査の礎となるネットワークの構築に貢献した。 新興企業の創業に関する調査研究に先行研究のレビューに関しては中国、韓国の研究者と協力し、日本のみならず、広く東アジアを対象とした調査研究を網羅的に通読し、それらの結果を取りまとめた。これは学術誌に投稿し現在査読中である。 また、過年度までの調査の結果に関しては国際学会での発表を複数重ねることができ、そのうちの1本はベストペーパーの候補に選ばれるなど高い評価を得た。特に制度に対して感情の論点を付与した議論は高い評価を得た。 当初の計画ではサバティカルを取得したうえで海外の共同研究者の元を訪れて研究を加速させる予定であったが、感染症の影響により多くの活動を自粛せざるをえななった。一方で基礎的な文献の購読は進み、次年度に連なるはずの成果を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度は感染症の影響で、予定していた海外の共同研究者との集中した作業時間を取ることが出来なかった。過年度までの成果の発信については継続的に進捗させることができた一方で、仕込みとなるデータの収集、その分析に関しては大きく停滞した。一年間の期間延長を得ることによって、その分を補完し、十分な成果として取りまとめることができるよう、継続的に活動を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在、特にリーガルテック領域にさらに対象を絞り込み、調査研究を継続している。ビデオ会議を活用した調査に関しても開始し、感染症の影響下でも可能な限りの調査を進めることで、最終的な成果につなげたい。 また、当初は多国籍企業についても対象としていたが、新興企業によりフォーカスを絞り込み、この領域に関しては一定の知見を得らえるように進行を調整する。 同時に、カンファレンスについてはバーチャルとなり充分なフィードバックを得難い状況が続いているため、論文としての完成と投稿を優先し、成果につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症により国際会議への渡航が不可能となり、また訪問調査の実施が不可能となったため。未使用額については人件費に充当することで研究を加速させるとともに、渡航が可能となった場合の旅費として支出する。旅費支出がなかった場合は書籍等必要分権の購入に充てたい。
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