研究課題/領域番号 |
18K12860
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村瀬 俊朗 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30795711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 認知のズレ / 部門間連携 |
研究実績の概要 |
去年はコロナの影響が一般業務と家庭に及んだ原因で、研究の進行が大幅に遅れた。国内外の学会もネットに切り替わり、研究結果をネット上のみの口頭発表ですることに後ろ向きであったため、研究の投稿を大幅に押さえた。その結果、実績を作ることが難しかった。 海外の学界報告の投稿は抑えたが、国内では報告を行った。また、海外の他の研究者と行った研究も査読論文としての出版許可が下った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、複数の活動を平行して行っている。去年の夏から日系大手企業のリーダーシップとチームワークの調査が進行し、データ収集を行っていたが今年の4月に完了した。こちらのデータはアンケートと人事データで構成されていて、これから分析に入る予定である。 また、リーダーのビジョン行動とチームが起こす失敗に着目した調査も、去年ウェッブから簡易的データを集めることができた。そして分析を行った結果、仮説支持の結果が得られた。こちらの調査では、簡易的データで終わるのではなく、企業のチームからしっかりとしたデータを収集したいが、コロナの影響でチームを対象とした大々的なデータ収集にはつながっていない。したがって、去年得た結果の正しさを再検討するために、コロナの中でも協力してくれる日系企業を探し、今年中にデータ取得を行い分析に漕ぎつける予定である。 加えて、去年大手企業のCEOに対してインタビューを行うことができ、インタビュー記述に対してテキストマイニングを行った。その中で、単純な文字だけの関連性を調べるのではなく、トピックモデリングという手法を使用して、CEOの方々がどのような意識をして従業員にメッセージを届けているかの分析を加えた。今後は、ここで得た分析結果を調査に反映して今年のデータ収集に活かす予定である。 以上が、去年から現在まで行ってきた活動のサマリーである。コロナの影響で上手く行かない点が多いが、今後につなげていきたい。 これらの調査結果をまずは国内学界や来年行われる海外の学界に投稿を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の予定は大きく分けてデータ収集、分析、そして学会と雑誌投稿の三つである。まずはデータ収集である。上記に挙げたリーダーシップ行動とチームワークの活動に関してデータ収集に協力してくれる企業を探る必要がある。こちらは今まで協力してくれた企業を中心に連携が今後も可能かをお願いする予定である。また、リーダーシップ行動が部署間の共有認知にどのように影響するかの最終データの収集を行う。こちらも今まで協力を頂いた企業からデータの収集をさせていただく。 去年から今年にデータ収集を行い、収集完了のデータの分析を行う。こちらは、アンケートと他の人事データの取得ができたため、現在は分析を行えるようにデータの準備を行っている。企業の人事の方と打ち合わせを行い、データにどのような意味が隠れているかを調べる打ち合わせも行うため、定量と定性の両方のアプローチで厚みのある研究結果とする。そして学会報告や雑誌投稿用に結果をまとめる予定である。 三つめは、現在すでにいくつかのデータの分析が完了して投稿可能なため、論文をまとめて雑誌の投稿と国内外の学会報告を行う予定である。国内外でワクチン接種のスピードがどのようになるかは未だ不明だが、できれば海外の学界で報告を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響を受け、計画していた研究活動に大幅な制限が入ったため、差額が生じてしまった。今年は引き続きコロナ禍と言え、大学業務と家庭の作業においてある程度がルーティーン化できたので、去年と比較して大幅に研究活動を引き上げる予定だ。 当初の3年目に予定していた研究活動に戻って、今年度はデータ収集活動を精力的に行う。この活動に対して助成金の活用を行うことを計画している。
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