研究課題/領域番号 |
18K12860
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
村瀬 俊朗 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30795711)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | チームワーク / リーダーシップ / 阿吽の呼吸 |
研究実績の概要 |
従業員が連携してビジネスを行う際、彼らは共有した市場の考えを構築することで難しい議論が可能とし、円滑な連携を行うことができる。この現象は組織の阿吽の呼吸と呼ばれ、本研究ではリーダーシップと阿吽の呼吸の関係性を明らかにすることを目的とする。 2021年の実績として、本プロジェクトで開発した「阿吽の呼吸」尺度を使用し、ある組織の開発プロジェクトに関わる従業員からデータを収集し、一部まとめた点である。本研究を行うために、まずは開発した尺度が予想通りの関係性を示すことを確認しなければならなかった。したがって、阿吽の呼吸の数値がチームの業績と関係するかどうかを確認し、理論の整理と検証を行う必要があった。今回の調査からは、阿吽の呼吸の高まりがチーム業績を予測できる結果となった。上述した結果は、論文にまとめてすでに国内誌にすでに投稿済みである。 また、リーダーシップにもインタビューを行い、リーダーが意識する組織運営の箇所をテキストマイニングの使用から洗い出した。ただし、組織のトップに対するインタビューのため、コロナの状況により、2021年は十分と言えるデータ収集に至らなかった。したがって、本年度を使用し、さらなるデータの蓄積と分析のアップデートを行う予定である。 本年度は、リーダーの行動が具体的にどのように阿吽の呼吸に影響するかを調査することを目標とする。現在、都内の組織からデータ収集の協力を得ており、夏までにデータを収集して分析をかける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
企業の協力を得て、社内の阿吽の呼吸の状態をインタビューやアンケート調査を中心に進めた。インタビューを行い、阿吽の呼吸の尺度開発に必要な情報を収集し、アンケートを作成。作成したアンケートがきちんと機能するかを調査するために、まずはパイロットデータを収集して検証を行った。検証の結果、本アンケートの使用で、従業員の阿吽の呼吸の測定が可能だと判断できた。 次に、企業と協力し、部署をまたがった開発プロジェクトに携わる従業員にアンケートを行ってもらった。このアンケートでは、リーダーのビジョン行動等の項目も加えることで、どのようなリーダー行動が阿吽の呼吸を高めるかを加えて検証した。コロナの状況のためアンケート収集が理想的スピードに至ってはいないが、徐々にデータの蓄積がたまっているため、本年度中に収集を完了して検証を行う予定である。 同時並行で実験調査も行っているが、こちらの方はコロナの状況がより強く影響し、データ収集が思うようにできていない。現在、2021年に集めたデータを使用し、研究介入がきちんと機能しているかを検証する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の本研究では、コロナの状況でのデータ収集が課題となる。現在は、企業の協力も得ているため、企業と連携を取ってデータ収集を行う予定である。また、データの分析と論文化も重要な課題のため、現在は集めたデータに対して分析をかけ、論文執筆と国内の学会発表を行うことをゴールとしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年はコロナの影響を受け、データ収集が思うようにいかなかったため、研究計画を変更しなければならかなった。本年度は最後の年と、コロナが去年よりも収まってきたため、データ収集に力を入れていく予定である。
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