研究課題/領域番号 |
18K12864
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
塩谷 剛 香川大学, 経済学部, 准教授 (80711100)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 探索 / 活用 / 両利きの経営 / 両利きの経営者(マネジャー) |
研究実績の概要 |
今年度は、戦略的基盤技術高度化支援事業(サポイン事業)に採択されている中小企業の経営者を対象とした質問票調査を実施した。質問票調査から得られたデータに基づき、経営者の志向性を、探索志向型、活用志向型、両利き型に分類し、多項ロジットモデルを用いて、経営者の社内外のつながり、心理的特性、経験等が彼らの志向性を変化させているのか検証した。分析の結果、社会関係資本が豊富で環境変化を認識している経営者ほど活用に傾斜せず両利きになりやすいことが示された。今後は本調査結果を論文にまとめ学会報告、ジャーナルへの投稿を行う。 上記研究と並行して、組織学会の学術企画である大企業のミドルマネジャーを対象にした質問票調査プロジェクトに参加し、両利きの経営研究に関連する質問項目の作成、データ収集も行った。次年度は前述の実証フレームワークと大企業ミドルマネジャーのデータを組み合わせた実証分析も実施していきたいと考えている。 加えて、組織学会のレビュー論文執筆企画に応募し、採択された。経営学の主要ジャーナルを中心に、1970年代から現在に至るまでの両利きの経営研究の歴史、両利きの概念の類型、両利きの経営の測定方法やその問題点、今後の研究の展望についてを文献レビューを実施し、2万字程度のドラフトを作成した。なお、本レビュー論文は、研究代表者と同様のテーマで同企画に採択された研究者との共著によって執筆されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染症の企業経営への影響を考慮して、質問票調査を見合わせていたが、2020年度12月~3月にかけて調査票の送付・回収、データ分析を実施した。また、同時並行で両利きの経営に関するレビュー論文のドラフトを作成した。新型コロナウイルス感染症の影響による研究の遅れから、研究期間の延長を行っているものの、今年度は一定の成果が出すことができ、「おおむね順調に進展している。」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は前述の質問票調査の結果を論文にまとめ、学術誌への投稿・掲載を目指す。今年度に作成した両利きの経営に関するレビュー論文は、学術書への収録が予定されており、次年度はその加筆・修正を行う。また、本研究に関する学会報告も実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は質問票調査を実施したものの、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、申請時に計画していた海外出張を見合わせたため、次年度使用額が生じた。
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