研究課題/領域番号 |
18K12866
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
谷川 智彦 立命館大学, 経営学部, 准教授 (70802635)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | トップ・マネジメント・チーム / ダイバーシティ / 時系列的変化 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、企業における主たる意思決定階層であるトップ・マネジメント・チーム(以下、TMT)のダイバーシティ(個人的属性の相違)に着目し、そのTMTダイバーシティの規定要因を解明することを目的としている。具体的には、(1)TMTダイバーシティの時系列的変化はどのような要因によって規定されるのか、(2)その「要因→TMTダイバーシティ(の時系列的変化)」という関係を調整・媒介する要因はなにか、という2つの問いを解明することを目的としている。 2018年度は、当初の研究計画に従い、主に研究遂行に必要な仮説の構築及びデータ収集を実施した。具体的な研究活動は以下の通りである。 (1)文献レビューと仮説の構築:本研究において解明する問いを検証するために必要な仮説を構築するため、文献収集及びそのレビューを行った。具体的には、経営戦略論や経営組織論といったTMTを主に分析対象として扱った研究領域の文献だけでなく、組織行動論など幅広くダイバーシティに関する議論をレビューした。また、上記の研究分野に関する文献だけでなく、パネルデータ分析やマルチレベル分析など、本研究の問いを解明するために効果的または必要な分析手法に関する文献も収集・レビューした。最後に上記の活動をまとめる形で本研究において検証する具体的な仮説を構築した。 (2)データ収集:本研究の仮説の検証に必要なデータを収集した。具体的には、TMTの多様化を定量化するために必要な役員データを収集すると同時に、本研究において独立変数や調整・媒介変数となる企業の財務データを収集した。 (3)論文化及び成果報告:本研究の成果の一部は国際学会にて報告されると同時に海外の学術雑誌に投稿・受理された。また、次年度に開催される国際学会に応募するため、研究成果の論文化を行い投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記の評価を行った主たる理由は、当初設定した研究実施計画を概ね実施することができたためである。 研究実施計画では、2018年度は、主に(1)文献収集とレビュー、(2)データ収集を実施する予定であった。文献収集とレビューについては一部追加で考察が必要な部分は残るが、学術・実務双方に貢献可能ないくつかの仮説を構築することができた。またデータ収集についても、本研究課題の遂行に必要なデータを収集することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度以降の課題として、2018年度に構築した仮説及び収集したデータに基づき、本格的に分析を行う予定である。前年度の活動実績を踏まえ、仮説の検証に適切なデータ、分析手法を用いて仮説を定量的に検証する必要がある。また上記の活動を実施する過程において、新たに検討が必要な研究課題が生じる可能性がある。こうした課題については、前年度同様に文献レビューや仮説構築、データ収集を追加で行う予定である。 さらに、2019年度以降は研究活動を通じて得られた成果を随時論文化し、国内外の学術雑誌や学術会議を通じて積極的に発信する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部資料の支出について、所属研究機関の研究費を利用したため、若干の次年度使用額が生じた。若干額のため、2019年度は基本的には当初の計画通り支出する予定である。だが、次年度使用額分については、追加で発生した研究課題に関する文献レビューに必要な資料収集として支出する予定である。
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