本研究課題では、企業における主たる意思決定主体であるトップ・マネジメント・チーム(以下TMT)におけるダイバーシティに着目し、そのTMTダイバーシティの規定要因を明らかにすることを目的としている。 2019年度における具体的な研究活動は以下の通りである。 (1)仮説の検証に関する活動:当初の研究計画に従い、2018年度に収集したデータを使用して仮説の分析を行った。当初は当該研究領域において頻繁に用いられている重回帰分析を使用して分析を行った。その後、研究活動を発展させる過程でより厳密に仮説の検証が可能なロバスト重回帰分析や一般化線形モデリングを用いて仮説の検証を行った。また、本研究を遂行する上で生じた派生的な課題である女性や外国人といったマイノリティを含むTMTが企業業績に対して与える影響についても前年度に収集したデータを使用して分析を行った。 (2)研究成果の公表に関する活動:前年度に採択された国際学会(ヨーロッパ経営学会(EURAM2019))にて研究を報告した。報告及び国際学会開催期間中、多くの研究者と交流することで本研究課題に対するコメントを頂戴した。さらに2019年度には頂戴したコメントに基づいて修正した論文を査読付き英文学術誌に投稿した。査読プロセスを通じて本研究課題に対して更にコメントを得ることが可能になり研究が更に発展した。 (3)その他活動:本研究課題に関連するテーマについて書籍(共著)を執筆した。具体的には「コンフリクトとパワー」(単独執筆)、「パーソナリティ」(共同執筆)の章を担当した。
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