研究課題/領域番号 |
18K12870
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
田原 慎介 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (80779976)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会イノベーション / 定着(持続性) / 信頼 / 信頼構築プロセス / 介護組織 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自ら開発あるいは採用した社会イノベーションを定着(持続)させるために必要となる組織内のメンバー間での信頼のタイプと、その信頼構築プロセスを明らかにすることである。この問題意識の背景には、特に介護に関わる社会的課題を解決するための社会イノベーションに焦点を当てると、介護組織(高齢者介護施設)がその社会イノベーションを採用しても、思うように継続して利用されないことが挙げられる。介護組織が自ら社会イノベーションを開発した場合も同様である。介護組織を取り巻く環境変化は激しく、介護保険サービスで対応できる介護ニーズは限られている。そのため、高齢者に関わる社会的課題を解決していくためには、社会イノベーションを持続的に活用することが求められていると考える。 2019年度は、社会イノベーションを開発あるいは採用した介護組織を対象として、インタビュー調査および観察、アンケート調査を実施した。インタビュー調査と観察は2018年度からの継続であるが、2019年度はこれまでの調査結果を踏まえ、アンケートを作成して実施した。アンケート調査の対象は、介護組織で働く職員である。インタビュー調査と観察の結果を質的に分析した結果は、6月にLeicesterで開催されたInnovation and Product Development Management Conference (IPDMC)、7月にEdinburghで開催されたEuropean Group for Organizational Studies (EGOS) ColloquiumのTrustのコミュニティで研究発表した。この2つの国際学会では、本研究の面白さと重要性を評価していただくと同時に、特に学術論文の改善につながる貴重なコメントおよびアドバイスを頂戴することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度、国際学会にて研究発表した際、司会や参加者より研究および論文を改善するための貴重なアドバイスとコメントを頂戴した。そこで、アドバイスとコメントを参考にして、追加のインタビュー調査、観察、アンケート調査を実施し、収集したデータを再度、丹念に分析したうえで、論文を改善して、国内外の学術誌へ投稿することにしたため、当初の計画よりもやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、IPDMCとEGOSのColloquiumで頂戴したコメントおよびアドバイスをもとに、追加のインタビュー調査(電話など)や二次資料の収集を通じて、学術論文の改善を図っていく。また、アンケート調査の分析結果を踏まえた論文にすることで、質的かつ計量的なアプローチから、より質の高い学術論文へ仕上げていくことを目指している。 研究成果は、国内の学術誌へ投稿することに加え、国際ジャーナルに関してはNonprofit関連の学術誌への投稿を考えている。2020年度は、1月にTrust Research(信頼研究)の国際学会FINT (First International Network on Trust) のワークショップが開催される予定である。どのような形式になるかは不明であるが、開催される場合は、FINTにて研究発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会での研究発表を通じて得た研究および論文に対するアドバイスとコメントを参考にして、追加インタビュー調査、観察、アンケート調査を実施して、再度丹念にデータを分析したうえで論文を改善して学術誌へ投稿することにしたが、2019年度内にすべてを完遂することは難しいと判断したため、2019年度で予定していた支出を抑え、次年度使用とすることにした。使用計画は、次のとおりである。追加インタビュー調査・観察の出張費用、論文の執筆・改善に必要となる外国語論文の購入費用、英語論文のネイティブチェック費用等に使用する予定である。
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