研究実績の概要 |
本研究では、評価(evaluation)や価値評価(valuation)に関する研究を手掛かりに、多様な価値が混在する異業種間の戦略的提携において、いかに多元的な価値が組織化されるのかを捉えていくことを目的としていた。研究全体を通しては、単著論文1本(“Strategic Reconfiguration of Transactions in the Japanese Manufacturing Industry: A Case Study of Quantifying the Processing Designed by a Supplier,” Journal of Japanese Management, Vol. 6, No. 1, pp. 1-17, 2021)、共著論文1本(“Unveiling hidden patterns between managerial assumptions, international market orientation, and performance: an unexplored journey into Japanese SMEs,” Marketing Intelligence & Planning(Allam Abu Farha, Said Elbanna, Osama Sam Al-kwifiとの共著, 2024年3月掲載許可))、を公刊した。また、学会報告では、2023年に行われた、経営哲学学会第40回全国大会にて、統一論題の報告者として、価値評価を基盤とした研究について報告を行った。 単著論文では、日本の中小企業がどのようにして系列取引を、自分たちの効率性を追求しやすい形に変えていったのか、これまでに検討されてきた脱系列とは違う戦略的提携の在り方について論じた。最終年度に公刊した共著論文と学会報告では、これを踏まえた今後の研究展開として、国際比較や価値評価の理論基盤を使った研究の可能性を検討した。 とくに本研究では、日本の製造業における中小企業の強みを、これまでとは異なる理論的視点から展開し、その成果を国外に向け発信することを重視した。
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