本研究の目的は分位点回帰をマーケティング・データへ応用することで,消費者をより深く理解し,マーケティング戦略への示唆を得ることである。実データを用いた分析では分位点回帰を広告効果測定,効果的なマーケティング変数の選択,顧客満足度の因果モデルに応用した。広告効果測定への応用では,通常の回帰分析では効果が薄いと判断された広告も上位の分位点で効果が認められるケースがあった。変数選択への応用では,分位点によってモデルの説明変数として選択される変数は異なる様子が示された。顧客満足度モデルへの応用では分位点によって係数が異なり,顧客満足度に影響する要因が満足度が高い顧客と低い顧客で異なる可能性が示された。
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