研究課題/領域番号 |
18K12882
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研究機関 | 国際大学 |
研究代表者 |
山口 真一 国際大学, GLOCOM, 講師(移行) (60769529)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | コンテンツ産業 / フリー型ビジネスモデル / ゲーム産業 / オンラインレビュー / パネルデータ分析 / データ利活用 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、情報社会の新しいビジネスモデルである基本無料のビジネスモデル(フリー型ビジネスモデル)について、消費者行動と最適なビジネス戦略にフォーカスして実証分析を行うことである。また、ネットワーク効果やオンラインレビュー、データ利活用といった、フリー型ビジネスモデルと密接に関わるテーマも取り扱う。平成30年度は、フリー型ビジネスモデルにおける企業戦略と、オンラインレビューが消費者行動及びビジネス戦略にどのような影響を及ぼしているかについて、実証的に分析を行った。 研究の結果、①フリー型ビジネスモデルにおいては、多数の製品を出す分散型と、1つ製品に集中する集中型の、2つの戦略をとり得ること。②オンラインレビューは多くの市場で消費を押し上げる効果を有していること。③消費者のサービス利用継続意思にオンラインレビューが大きな影響を与えていること。④組織内でデータ活用を進めるには強制的な組織にした方が良いということ。⑤アプリレビューはほとんどアプリDL後1週間以内に書かれたものであること。などが明らかになった。 これらの研究成果は学術論文4本、学会発表2本、ビジネス書1冊として公表されただけでなく、平成31年度も引き続き研究を行っており、投稿中の論部も存在する。また、産学連携の研究会を再開し(GLOCOMデジタルコンテンツ産業研究会)、産学連携で積極的な意見交換を行っている。さらに、学術的な公表だけでなく、ビジネス書の発行やメディアでの執筆・出演をとおして、研究成果を社会に還元している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成30年度は、情報社会のビジネスモデル全般について幅広く研究を進めており、査読付き論文3本を含む学術論文4本と、学会発表、ビジネス書1冊というアウトプットを実現している。また、研究成果は社会的にも注目を集めており、多数のメディアで普及論文を執筆したり、出演したりと、研究成果の社会還元も積極的に行っている。以上の理由から、「当初の計画以上に進展している」といえる。他方、学会発表した研究を始めとし、未だ分析はしたものの発表できていない研究もいくつか存在するため、平成31年度はそれらの公表を活動の重点として進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、フリー型ビジネスモデル及びその周辺の情報経済全般に関する分析を進め、産学連携の研究会も継続しながら、研究成果を学会や論文誌で継続的に公表していく。また、学術的な公表だけでなく、ビジネス書の発行やメディアでの執筆・出演をとおして、研究成果を社会に還元していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際会議等学術的発表の参加費・交通費、シンポジウム開催費、研究補助員の雇用費用、英文校正費等は継続的に必要な費用であり、次年度に向けて計画的に残している。これらの経費として、平成31年度に計画通り使用していく。また、アンケート調査を実施する予定もある。
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