研究課題
本研究の目的は、フリー型ビジネスモデルにおける消費行動の理論モデルを構築したうえで、「消費者のネットワークや情報発信が消費行動に与える影響」「フリー型ビジネスモデルにおける最適戦略」について、定量的分析を行い、フリー型ビジネスモデルにおける最適な戦略を導出することにある。また、研究を進める中で、フリー型ビジネスモデルにおいては、データ分析による価格戦略が重要であることが明らかになった。そのため、「企業の最適なデータ利活用戦略」についての研究も実施した。研究の結果、①消費行動において消費者の発信する情報(クチコミ・インスタ映え等)は大きな影響を与えており、製品・サービスの購入や、サービスの継続意思、いずれに対してもポジティブな影響を与えている。②ただし、クチコミには虚偽の投稿もあるうえ、端な意見を持っている人ほどインターネット上には多く発信するようなバイアスもあるため、クチコミマーケティングの際には、情報の偏り・真偽に注意する必要がある。③フリー型ビジネスモデルにおいては、多数の製品を出す分散型と、1つ製品に集中する集中型の、2つの戦略をとり得ること。④組織内でデータ活用を進めるには強調・創造を重視する組織にした方が良い。⑤若い人やデジタルリテラシーが高い人はデータ提供にポジティブな傾向にある。などが明らかになった。これらの研究成果は、SCOPUS掲載論文を含む11本の学術論文としてまとめられているだけでなく、3冊の書籍にまとめている。書籍はいずれもビジネス書である。さらに、「GLOCOMデジタルコンテンツ産業研究会」「日本流データ利活用研究会」「データ社会における競争力研究会」などで産学を交えて研究成果を報告したほか、NHKや日本テレビ、日本経済新聞などの様々なメディアで報じられたため、成果は学術に閉じず、実務者にも幅広く普及されたといえる。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)
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