研究課題/領域番号 |
18K12885
|
研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
渡邉 孝一郎 九州産業大学, 商学部, 准教授 (60616671)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 街商人 |
研究実績の概要 |
初年度ということで、基本的には文献調査に徹した。具体的には、これまでの街商人に関する研究の整理を中心として理論的課題を抽出していった。その中では、街商人が商業・流通論において、どのように位置づけられるのか、さらには街商人の存在意義を理論的に検討し、これまでに検討されてこなかった多様な情報の媒介者としての役割の可能性について明らかにした。また方法論であるライフヒストリー研究や質的研究の課題などについても、ある程度整理を行った。この結果、研究の土台がある程度完成し、今後の実際の調査の準備段階はある程度完成したものと考えられる。 また調査ということでは、商店街関係者にインタビューを行い、まちづくり活動や商店街活動での課題や今後の方向性について話を聞いた。具体的には、商店街が大きく変貌する際にどのように関係者の利害関係を調整していくのかや、新しくなった商店街において商売がどのように変化していくか、さらには商店街が負のスパイラルに入った場合にどのような調整をおこなっていくかなどについて調査を行った。 結果として、成果物として論文寄稿【渡邉孝一郎・松田温郎(2019)「地域商業者の経営意識に基づく品揃え物の構想に関する試論」『山口経済学雑誌』第67巻、第5号、掲載頁未定】及び学会報告【渡邉孝一郎・松田温郎(2019)「地域商業者の経営意識に基く品揃え物の構想について」日本商業学会九州部会4月例会、福岡大学、4月27日】を行った。他にもまだ原稿段階ではあるものもあり、完成でき次第、公表していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究活動によって、基礎となる理論的知見の整理はほぼ完了している。ただ、予定では初年度にある程度街商人へのライフヒストリーインタビューを実行する予定であったが、方法論の整理に時間がかかってしまい、実行できなかった点が反省点である。2年度以降はこの遅れを取り戻すとともに、インタビューを本格化させていく予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はライフヒストリー研究が主となる。代表的な街商人にインタビューを行っていき、街商人がいかにして生まれるのか、そこから街や商店街がどのように変化していくかを調査・分析をしていく予定である。同時に、商業・流通論における街商人の存在を理論的に内包していく考察も引き続き行っていく予定である。同時に、成果を少しずつ、論文投稿や学会発表などで公表していく予定である。
|