研究課題/領域番号 |
18K12898
|
研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
王 志 上智大学, 経済学部, 准教授 (70635771)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 製造現場 / 現場改善 / バーンアウト / 燃え尽き症候群 / 従業員心理 |
研究実績の概要 |
バーンアウト研究の成果はヒューマン・サービス業を中心に蓄積され、製造業をはじめとする一般産業界の従業員を対象とするものが極めて少ない(王・椿田・関口, 2017)。その背景には、バーンアウトという状態がそもそも看護の現場での観察から見出されたという経緯が一因であると考えられる。しかし、バーンアウトは自己と仕事との関係のなかで生じる問題であり、製造業でも十分発生し得る。 本研究は、日本の製造業で実践されている改善活動(原価改善やTQC、JIT生産方式など)が製造現場のバーンアウト(燃え尽き症候群)をもたらしているかを明らかにし、またバーンアウトしているならその発生要因を解明し、企業業績への影響を考察することを目的としている。 本年度は1年目であるために、まず資料収集に努めた。王・椿田・関口(2017)に基づき、バーンアウトに関する既存研究を再度確認した。日本の製造業で実践されている管理手法として、設計段階の原価企画、製造段階の原価改善やTQC、JIT生産方式などがあるが、原価企画に携わっている設計エンジニアがバーンアウトしていることについての研究は少ないながら存在するが(Shields et al., 2000; 吉田, 2001)、原価改善やTQC、JIT生産方式などの改善活動に従事している製造現場がバーンアウトしているかについては、ほとんど検討されていないことが分かった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目標として聞き取り調査とアンケート調査のための基本的資料収集を予定していた。既存研究の整理を着実にこなすことができたため,おおむね順調に進展していると言うことができる。
|
今後の研究の推進方策 |
2年目においては、既存研究の整理から得た知見をもとに、製造業を対象とする研究でどのようなバーンアウト要因を考察できるかあるいは考察すべきかを検討し、聞き取り調査票を作成し数社での実施を試みる。また、アンケート調査票の項目を作成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
<次年度使用額が生じた理由> 当初は、1年目のときに聞き取り調査とアンケート調査で得られるデータを処理するためのデスクトップパソコンと統計ソフトを購入する予定であったが、2年目で購入することにした。 <使用計画> 2年目では、数社での聞き取り調査を実施する予定である。
|