現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4カ年で,第一に,複数の環境管理手法が組織でどのように共存し, どのように経営活動との間に関係性を構築しているのか,第二に外部と内部での環境アカウンタビリティの連続性,整合性の側面がどのように調整されているのか分析を行う。 前者についてはMFCAなどの環境管理会計の手法と組織のマネジメントコントロールシステムとの関係について分析を行い現在,論文を投稿し審査を受けている段階にある。またこれを補完する研究としてMFCAの継続的利用に関する分析を行なってきた。2020年度の分析を通じて日本で行政などの支援事業を受けてMFCAを導入した大半の企業は短期的にその利用を停止していたこと,継続的にMFCAを利用した企業と短期的に利用を停止した企業の間に特徴的な利用形態の差があったことが明らかになった。現在は論文作成の最終段階にあり,2021年度中に論文を投稿する予定である。加えてサーキュラーエコノミーへの社会システムの移行の文脈においてクローズドリサイクルシステムにおけるMFCAの利用可能性を検討し,研究を進めている。実証研究のベースとなるモデルを構築している段階であり,調査協力企業との連携を通じて実証調査を予定している。 後者について環境アカウンタビリティの連続性,整合性の問題については分析のためのテキストデータをサステナビリティ報告書をもとに収集し,データベースの整備が進んでいる。Rのstmパッケージを利用してstructural topic modelingのアプローチを用いて,企業のサステナビリティ戦略の変遷を変数化している。これにより日本企業のサステナビリティ戦略の傾向が変数化された。
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