研究課題/領域番号 |
18K12902
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
北田 皓嗣 法政大学, 経営学部, 准教授 (90633595)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サステナビリティ / 意思決定 |
研究実績の概要 |
今年度は,サステナビリティ情報を用いた業績評価システムのデザインが意思決定に与える影響に関する実験分析を行った。個人の倫理観やサステナビリティに対する価値観が部下に対する業績評価の意思決定に与える影響について分析した。また今回は特に,業績評価システムのデザインが,これらの個人の倫理観や価値観が意思決定に与える影響を助長したり,阻害するメカニズムについて分析を行っている。具体的には,サステナビリティ・バランスド・スコアカード(SBSC)を用いて実験をデザインしている。先行研究に基づいて,SBSCのデザイン,特にサステナビリティ情報の顕在化の程度や,戦略マップの枠組みを用いて因果連鎖の可視化が意思決定に与える影響について検討している。 またアメリカ在住の参加者をAmazon Mechanical Tarkを通じて募集し,被験者とした。オンラインシステムを利用して海外の被験者を採用したことで,国際的な学会などで発表しやすい形で調査が実施できた。 これらの結果を受けて,SBSCにおける「環境の視点」における因果モデルを提示することを検討している。Figge and Schalttegger (2002)などこれまでの研究では,既存のBSCにおける4つの視点と「サステナビリティの視点」がどのように関係しているのかについて明らかにしてきた。これに対して本研究は,これらの設計が部下の業績評価の意思決定に影響を及ぼすことを示唆している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度までに計画していた研究について,実験室実験については当初,国内の被験者を集めて大学などの施設で実施することを計画していたが,コロナの蔓延の影響を受けて,オンラインでの調査の実施に切り替えている。これにより,より柔軟に多数の被験者を集めることが出来,これらの研究では計画よりも充実した研究が実施できた。 しかしながら企業担当者や投資家などの実務家に対するインタビュー調査はコロナの影響を受け,進捗が芳しくない。特に工場関係者へのインタビューはほとんど実施できておらず,企業調査に課題を抱えている。また国際会議や海外の共同研究者との調査などもオンラインでの会議などは実施しているものの,滞っている。 そのため当初の予定より,やや進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,実験室実験で得られた結果を補完するための追加の実験を実施する。またそれらを踏まえて,当初の予定であったバランスト・スコアカード(BSC)を環境マネジメントの利用に拡張するために「環境の視点」が他の経営管理指標とどのようにむすびつくのか,因果モデルの構築を進めていく。 それらの結果を学会発表や論文の形で,成果として仕上げていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの蔓延を受けて,国内への調査のための出張や,国内外での学会発表や研究打ち合わせのための出張を実施することができなかった。来年度はコロナの蔓延状況を踏まえて実施する予定である。
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