| 研究課題/領域番号 |
18K12907
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| 研究機関 | 愛知工業大学 |
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研究代表者 |
丸山 恭司 愛知工業大学, 経営学部, 教授 (20779798)
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| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 監査委員監査 / 地方自治体 / 行政監査 |
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| 研究実績の概要 |
これまで英国では、自治体監査委員会が英国地方自治体の外部監査を実施してきた。同委員会は、1983年4月に設置され、2015年3月に廃止されている。これまでに自治体の外部監査機関として監査を実施してきただけではなく、自治体業務についてテーマを設定して数多くのレポートを公表している。この内容は、英国のナショナルアーカイブ（The National Archives）で保存、公開がなされている。報告では、医療サービス、警察、PFI事業、IT活用などの広範囲かつ多様な行政サービスについて業績指標の設定や業績評価を行っており、わが国の自治体監査に比較してサービスの改善に貢献する監査結果となっていることが認識できた。さらに本研究では、公開されている自治体監査委員会の報告書のすべてを収集し、テキストファイルに変換し、テキストマイニングの手法で報告書の定量的分析を行っている。
自治体監査の実態を国際比較するために2018年5月にドバイで開催された内部監査人協会（IIA)の国際会議に参加をして、米国、フィンランド、英国、アラブ首長国連邦などの内部監査人と意見交換を行った。特に公的部門と民間の内部監査の特徴について聞き取りをした。官民のセクターが明確に分かれている国とそうでない国があったが、内部監査部門は、内部監査の国際基準に準拠した監査を行い、差異に影響を与えているのは、Regulationの違いであるという意見が多く聞かれた。
加えて、わが国の行政監査の実施内容については、探索的に各自治体がホームページで公表をしている監査結果を収集し、分析している。近時では、自治体の災害時におけるBCP（事業継続計画）やAEDの設置と運用に関する行政監査が、複数の自治体で実施されていることが確認できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
英国監査委員会が公表しているデータは、約750ファイルありテキストファイルに変換するのに時間を要している。試行的に共起語の抽出や対応分析を行っているが、自治体監査委員会の特徴やわが国への示唆を導くために十分な結果が得られていない。
海外調査については、国際会議への参加を通じて情報を収集することで研究計画策定時よりも、多くの国における自治体に代表される公的部門の監査実態に関する情報を収集することができた。
わが国の行政監査の実態については、都道府県、政令指定都市、中核市などからサンプリングし、監査結果報告書を収集している。ただ、わが国全体を網羅的に収集できていない。監査結果を分析するための視点を定め、海外調査の結果と関連させて分析を行っている。
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| 今後の研究の推進方策 |
自治体監査委員会の公表している報告書のテキストマイニングによる分析については、隣接分野のテキストマイニングの研究成果を収集し、研究方法の見直しと改善を図る。英国の自治体にかかる現代史を参照し、社会的背景と監査結果との関係性を考察し、研究を前進させていく。
自治体監査委員会の業務は、英国会計検査院（Nationai Audit Office:NAO）に引き継がれている。訪英しNAOの担当者との意見交換を実施し、これまでの報告書についての認識や現時点における自治体監査の現状について確認をしたい。
わが国の自治体にかかる行政監査の現状については、都道府県、政令指定都市などの大規模自治体が実施している。こうした比較的規模の大きな自治体の行政監査結果を網羅的に収集し、英国自治体監査委員会の報告書との分析結果と対比して、今後の改善につなげる方策を導出したい。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
海外調査について計画をしていたが、先方の都合で次年度区に繰り越した調査があり、次年度に使用する額が生じた。
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