研究課題/領域番号 |
18K12913
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
篠原 巨司馬 福岡大学, 商学部, 准教授 (90580168)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 戦略化 / 経営計画 / 経理社員 / 経営企画 / 戦略計画 / ROIC経営 |
研究実績の概要 |
研究成果の公表として、日本原価計算研究学会での報告および雑誌記事を共著で発表した。日本原価計算研究学会では、「日本企業における管理会計人の役割に対する影響要因の考察」というタイトルで、調査先である日本の大手製造業の経理部門が果たしていた役割について検討した結果を共同研究者とともに報告した。本研究において、各事業部門に派遣された経理社員は戦略実現のために計画通りに進んでいるかどうかを監視するだけでなく、各事業の将来収益の確保に必要なイノベーションのための情報を事業部長に対して提供することが求められているという事例を検討した。この事例は戦略計画が実際に運用される中で新しい事業部の取り組みをどのように生むのかという点を考えるために非常に重要なものであった。本事例については現在論文化に向けて理論的な枠組みの再検討を進めている。 雑誌記事については『企業会計』(中央経済社)の8月号から10月号に「ROIC経営の導入と組織浸透 : オムロン,ピジョン,LIXILに学ぶ」というタイトルで全三回の連載を共著として発表した。本記事は一般向けに戦略経営における管理会計の利用法についてのベストプラクティスの紹介と啓蒙を企図したものである。 また本年度もコロナ禍のため、当初の予定よりも遅れているという意味では満足のいく定性的調査を行えなかった。一方で、Zoomを用いた遠隔インタビューの知見は蓄積されてきたため、数多くのインタビューを実施することができた。インタビューによって延べ20時間を超える量のデータを新たに取得することができた。これらのインタビューは計画段階で候補としていたゲーム関連企業の重役や既存調査先と同規模程度の中小企業に対して実施することができた。現在は論文化に向けてこのデータを分析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延により、研究データを得るためのインタビューの実施が大幅に遅れている。遅れた分を取り戻すために、Zoomでのインタビューを多数実施することで研究を進めることはできた。 また研究計画では研究成果を報告するために国際学会に参加する予定としていたが、この2年間海外学会に参加することができなかった。一方で国内向けには学会・一般雑誌に研究成果を公表することができている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は国際学会での研究発表と、本研究の最終的なまとめとして書籍化のプロジェクトを進める予定である。大幅に遅れたが、オンラインインタビューなどの工夫により十分なデータを取得することが出来た。また研究期間を延長することができたので、現在は公表に向けた取り組みを本格的に進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で海外学会への参加ができなかったため、延長した期間では旅費と学会参加費に主に使用する予定である。
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