研究課題/領域番号 |
18K12921
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
河 キョンジン 広島市立大学, 付置研究所, 准教授 (10754442)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | PR / 映画 / 産業 / 社内報 / ヒューマン・リレーションズ / 日本的経営 |
研究実績の概要 |
本研究の第3年度にあたる2020年度は、コロナ禍の影響により、研究計画の再調整を余儀なくされ、とくに、東京で行う予定だった資料収集、図書館での調査などが実施困難となり、大幅に修正せざるを得なかった。その上で今年度の研究実績概要は、以下の通りである。 第一に、研究計画として挙げていた書籍化に関して、戦後1950年代における造船、電力、繊維など、主要企業のPR映画の内容分析をふまえ、原稿の執筆に取り組んだ。現在、7割くらい完成しており、第4年度となる2021年には公刊できる見込みである。 第二に、PR言説に関して、現段階で入手できる資料を中心に研究を行った。とりわけ、1950年代から70年代まで出版された社内報をめぐる書籍を集め、日本的経営におけるヒューマン・リレーションズ(Human Relations)の意味を探る上で文献調査と分析を実施した。 第三に、戦後PRの歴史の延長線上で、本研究が問題背景としている、2000年代以降の日本社会、日本企業とPRをテーマとする研究も行い、現在、執筆中の原稿の一部としてまとめた。また、コロナ禍で社会とPRコミュニケーションの関わりを見直す動きが業界で活発になっているなか、研究者の観点から戦後の歴史を振り返り、意見を述べる機会を得て一部研究成果を、「新しい共同体が求められる時、必ずPRが必要になる」『2020PRYearbook』(2020年6月、日本パブリック・リレーションズ協会発行)、「Withコロナ時代のPRについて話そう」(2020年4月27日、PR Table Community主催オンラインイベント)などとして紙面およびオンライン座談会にて公開することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「やや遅れている」と評価したが、その理由は、コロナ禍に伴い、東京への出張ができなくなり、PR動画および文献資料の調査が困難になったからである。入手済み資料・文献を中心に分析と執筆を行ったが、当初の計画からすれば、進捗が遅れていることは否めない。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が長期化し、引き続き、東京での資料調査が現実的に難しくなる可能性を考え、すでに確保してある資料・文献を中心に分析を行い、研究成果を論文や書籍として公刊する作業に集中したいと考えている。実績概要で述べたPR映画に関する原稿の完成のほか、年度内に経営思想・理論とPR言説に関する論考をまとめ、日本広報学会学会誌に投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響で実施予定だったPR動画の収集およびデジタル化が延期になったほか、史料収集や関係者へのインタビューなどの実施も見送らざるを得なくなったため。
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