研究課題/領域番号 |
18K12924
|
研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
佐野 潤子 お茶の水女子大学, グローバルリーダーシップ研究所, 特任講師 (00802141)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 複数役割満足感 / 共働き / 仕事満足感 / 家庭科教育 / 男女共同参画社会 / 長寿社会 / 性別役割分業意識 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
2019年度は女性の働く環境、就労継続意識、昇進希望、家庭内外の男女共同参画等のサーベイをし、既存のデータから分析を試みた。結果として、6月「佐々木昇一氏報告『ワーク・ライフ・バランス制度の利用は昇進にどのような影響を与えるのか』討論者生活経済学会第35回研究大会、9月「有職父親、母親のサードプレイスとしてのICT利用 -未就学児を持つ日本の親の場合―」日本家族社会学会第29回大会、国際学会では9月「日本と中国の育児世代のライフスタイル選択―役割調整のための資源利用の視点から―」比較家族歴史学会秋期大会(田ゲン、岡村利恵、佐野潤子) 北京、11月“The Sociological Factors that Enhance Women’s Leadership in Japanese Private Companies: Based on Quantitative Survey Data from Women Working in Leading Companies”RC06-VSA International Conference Ha Noi 2019 The Family in Modern and Global Societiest を国内外の学会で 発表した。 またノルウェーの調査も進めており、ノルウェー国立科学技術大学(NTNU)ジェンダー研究センターとお茶の水女子大学ジェンダー研究所の共同研究の毎月のミーティングに参加し、研究者間でのディスカッションなどを行った。Skype でノルウェーの研究者とも協議し、11月にノルウェーの研究者が来日した際には、ノルウェーの実情や日本の政治、就労、家族など多岐にわたるテーマで意見交換をした。NTNUのDr.Jennifer Branlatとノルウェーの教育とジェンダー問題に関する情報を交換し、調査方法、項目を検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度もお茶の水女子大学ジェンダー研究所とノルウェーのNTNU(国立科学技術大学)のジェンダー研究センターの共同研究 (INTPART)ミーティング(2019年度は11回開催)に出席し、ノルウェーと日本の働き方や教育について考察を深める。文献・資料収集と当初、2019年度中に調査票を作成し、Webでの調査など調査会社に打診していたが、2020年4月に本務校が変わることになり、調査内容、調査票の倫理審査は2020年度以降の勤務先の慶應義塾大学の倫理審査を受けた方が良いとのアドバイスがあり、2019年度は既存のデータでの分析とNTNUの先生方とのディスカッション、先行研究、統計整理などを中心に行った。2020年度からの本務校の倫理審査を受ける予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
【2020年度】お茶の水女子大学ジェンダー研究所とNTNU(国立科学技術大学)のジェンダー研究センターの共同研究 (INTPART)ミーティング(2019年度は11回開催)に出席し、ノルウェーと日本の働き方や教育について考察を深める。文献・資料収集と2019 年度に進めていた調査設計を精査し、日本とノルウェーの質問紙調査、あるいはインタビュー調査を行い、国際比較する。 2020年4月に開催予定だったINTPARTシンポジウム、セミナー、ワークショップが中止とになったが、オンライン、メールなどでNTNUとお茶の水女子大学の先生方とジェンダーと教育、性別役割分業意識や働く意識についてインタビューをし、考察を深める。今年度はできればNTNUを訪問し、ノルウェーの学校の授業、家庭科授業を見学したいと考えているが、時期は未定である。 以上の研究内容を研究会や学会で報告をする。投稿論文を執筆する。また、ノルウェーの研究者(Dr.Jennifer Branlatなど)とお茶の水女子大学ジェンダー研究所の先生方とアンソロジーの刊行のために分担執筆する予定である。 【2021年度】日本とノルウェーの調査票の分析に基づき、調査票調査、インタビュー調査で明らかになった点と不明や矛盾点について、日本とノルウェーの働く母親、あるいは研究者にインタビューし、フィードバックを行い、考察を深める。引き続き学会、投稿論文などで発表する。これまでの調査のまとめと発表を行う。 最後にノルウェーと日本の国際比較に関するワークショップを開催し、ノルウェーの研究者、日本の研究者とのディスカッションを考えている。ノルウェーと日本の国際比較研究から日本の懸案事項であるジェンダー平等の実現、ワークライフバランスに関する提言をする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
文献・資料収集と2019 年度に進めていた調査設計を精査し、日本とノルウェーの質問紙調査を行い、国際比較する予定であったが、2020年度から勤務先が変わることになり、新しい本務校での倫理審査を受け、その後の調査研究、分析発表を行うことにした。2020年の4月にNTNUの先生方が日本でのシンポジウム、ワークショップ、セミナーを行う予定であったので、ノルウェーの実情を把握し、調査票のアドバイスをいただく準備をしていたが、急遽来日できなくなり、引きつづきオンラインやメールなどでディスカッションを行い、2020年度に可能な方法での調査を考察している。
|