研究課題
若手研究
自営業からの退出メカニズムと退出後のキャリアを家族構造とジェンダーと労働市場に着目して実証的に分析することにより、自営業者のジェンダーの違いや、自営業者の子どもの有無で退出のしやすさが異なること、退出後のキャリアでは若年層を除き二次的な労働市場への移動に制限されやすいこと、自営業参入前の正規雇用での経験年数がキャリアの安定化をもたらすこと、また、家族成員のジェンダーにより家族従業者のなりやすさに違いがあることなどが明らかになった。
社会学
1960年代から近年に至るまで日本では自営業率が低下している。自営業者はいったん自営業に参入すると退出したとしても個人的な要因のためであるという認識が共有されていたため、自営業からの退出についての研究は少なかった。本研究ではなぜ自営業率が低下したのかを自営業からの退出を中心に考察することにより、日本の労働市場のドメスティックな特徴を把握し、転職研究で議論の外に置かれていた自営業者の転職を明らかにし、また、自営業者と非正規雇用者についてそれぞれの退出後の違いをデータにより示した。