研究課題/領域番号 |
18K12933
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
大野 光明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80718346)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 社会運動史 / トランスパシフィック / 沖縄 / 日米安保 / 日系 / ベトナム戦争 |
研究実績の概要 |
本研究は、資料調査とインタビュー調査、フィールドワークにより、1960年代後半から70年台前半の日系アメリカ人の社会運動と日本・沖縄における日米安保闘争と沖縄返還闘争とのつながりを、太平洋を横断する(Transpacific)運動・思想という視座から歴史社会学的に分析するものである。 初年度は、主に日本国内での資料調査とインタビュー調査を進めた。資料調査に関しては、日本では立教大学共生社会研究センター、沖縄県公文書館、米国内ではカリフォルニア大学バークレー校エスニックスタディーズ・ライブラリーなどでの資料調査および収集済資料の整理を行った。特に1960年代後半以降、日本で創刊され、アメリカ国内の運動団体へも配布されていた英文雑誌『AMPO』についての資料調査を行った。また、聞き取り調査については、『AMPO』元編集者や上記闘争を通じてアメリカ西海岸とつながっていた日米の活動家への聞き取り調査を実施した。それに加え、過去に実施した日系アメリカ人などへの聞き取り調査データの整理も行った。次年度以降は米国内での現地調査に重点を移しつつ、インタビュー調査をさらに進めたい。 本研究では太平洋を横断する運動・思想をとらえる運動史研究上の方法論の検討が必要とされる。その1つの作業として『社会運動史研究1 運動史とは何か』(共編著、新曜社、2019年)を刊行し、単著論文、参加座談会記事、インタビュー記事を発表した。同書は今後も年1回のペースで刊行をつづける予定であり、本研究の知見を練り上げていく場や成果発表の場としていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」で述べたとおり資料調査とインタビュー調査を始めることができた。しかし、インフォーマントと調査者とのあいだのスケジュール調整がうまくいかないなどの理由で、アメリカ国内での調査を十分に実施できなかった部分はあるが、次年度以降に取り組むことができる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度の進捗状況をふまえ、2019年夏および2020年春に米国内(サンフランシスコやロサンゼルスなど)での現地調査を実施し、主にインタビュー調査と未収集資料の調査(National Japanese American Historical Societyのアーカイヴなど)を進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
国内調査が中心となり、予定していた海外調査の一部を翌年度以降に延期したため。「独立基盤形成支援」予算の一部も次年度以降の執行を予定しているため。
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