研究課題/領域番号 |
18K12933
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
大野 光明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80718346)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 沖縄返還 / 社会運動 / レイシズム / 戦争 / 日系 |
研究実績の概要 |
2019年9月と2020年3月にアメリカ合衆国サンフランシスコ、バークレー、オークランド、ニューヨーク、2019年10月に沖縄での資料調査、インタビュー、フィールドワークを実施した。資料調査については、カリフォルニア大学バークレー校のEthnic Studies LibraryやSan Francisco Public Libraryなどで日系人グループのJ-Town CollectiveやGidraなどの資料、関連する諸運動(Third World Liberation Front、I Wor Kuen、Black Panther Partyなど)の資料を収集した。また、沖縄県公文書館や沖縄県立図書館でも沖縄現地紙の報道を中心に調査を行った。インタビューについてはThird World Liberation Front、I Wor Kuen、Bay Area Asian Coalition Against the War、サンフランシスコ・ベイエリアを拠点とした日本・沖縄と関わりのあったベトナム反戦運動の当事者などへのインタビューを行った。サンフランシスコにおける日系人運動を理解する上で重要なチャイナタウン、ジャパンタウンなどでのフィールドワークも行った。 1960年代末から70年代初頭において、米国では第三世界の植民地解放闘争や米国内のブラックパワームーブメントからの影響を受けて、学生を中心とする若い日系アメリカ人のラディカルな運動が展開され、日本の政治状況とも直接・間接に結びついていたこと、その焦点が日米両国のベトナム戦争への協力関係、日米安保、そして沖縄の軍事化であったことなど、時代状況と運動状況を把握することができた。調査結果の一部については、「1968年研究会」や「地域ベ平連研究会」、日本アメリカ史学会第46回例会などで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集した資料の読みこみ作業に時間がかかり、インタビュー調査の実施にも遅れが生じ、それにともない調査結果のとりまとめや成果発表は遅れている。また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年3月に予定していたアメリカでの現地調査について、出張はできたものの十分な調査ができなかったこと、学内業務が増えたことにともない十分な研究時間を確保できなかったことも一因である。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの世界的な感染状況によって今後の対応は変わってくるが、アメリカ合衆国での調査の可能性を検討しつつ、収集済みの文書資料をひきつづき読み、すでにあるインフォーマントとの信頼関係のもとでオンラインでのインタビューを実施するなど、柔軟に対応策を考えながら、研究を少しでも進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、出張の一部計画をとりやめたり、期間を短縮したため。今後の感染拡大状況をみながら、残額を使用する予定である。
|