研究課題/領域番号 |
18K12933
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
大野 光明 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (80718346)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 日系アメリカ人 / カリフォルニア / 沖縄返還 / トランスパシフィック / 安保闘争 / 社会運動 |
研究実績の概要 |
本研究は1960年代後半から70年代前半の日系アメリカ人の社会運動と日本・沖縄における沖縄「返還」・「復帰」をめぐる運動や70年安保闘争などとのつながりを、太平洋を横断する運動・思想という視座から歴史社会学的に分析するものである。 2021年度もCOVID-19によってアメリカ合衆国と日本国内での資料調査、インタビュー調査、フィールドワークをほとんど実施できなかった。そのため、前年度に引き続き先行研究と収集済み資料の分析作業にとどまることとなった。具体的には(1)世界的な脱植民地化運動とその思想、アメリカ国内の新左翼運動とアジア系アメリカ人のラディカル化の過程、(2)サンフランシスコ湾岸地域やロサンゼルスにおける日系アメリカ人運動の複合的な諸課題(大学闘争、反差別運動、徴兵拒否、反ジェントリフィケーション等)(3)日本および沖縄の諸運動とのつながり、などについて分析を進めた。 その成果としては、研究代表者が企画したAssociation for Asian Studies年次会議でのラウンドテーブル"Contending with Discourse on Peace from Occupied Okinawa"での発表”Trajectory of Wounds and Resistance: Transpacific Anti-Vietnam War Movements and Okinawa"および討論がある。また、日系アメリカ人運動とつながりをもった雑誌『AMPO』について武藤一羊氏へのインタビューを実施し、その記録を『越境と連帯 社会運動史研究4』(新曜社、2022年7月刊行予定)に掲載する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究はアメリカ合衆国内での資料調査、インタビュー調査、フィールドワークを主な方法としているが、COVID-19の影響で2020-21年度の現地調査は実施できなかった。この影響から、新たな資料とデータの調査が進まなかったため、進捗状況は遅れている。2020年度が最終年度であったが、2022年度まで研究期間の再延長を申請した。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染状況と日米間の渡航制限、日本国内の移動の可能性などをひきつづき確認しながら、アメリカ国内や沖縄などでの現地調査を2022年夏以降に実施したい。現地調査の実施が見込めない場合は、(1)収集済みの資料・文献の分析・考察の成果を論文にまとめる、(2)オンラインでのインタビューや資料の取り寄せの可能性を探る、などの方法を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大の影響によりアメリカおよび日本国内での現地調査活動がほとんど実施できなかったため、調査活動が大幅に遅れ、経費の執行も予定を大きく下回った。そのため補助事業期間を延長しており、次年度使用額が生じた。
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