研究課題/領域番号 |
18K12940
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
木村 嘉代子 (藤田) 宮城学院女子大学, 生活科学部, 准教授 (90795915)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 男性の家事スキル / ライフコース / 高齢男性 / ジェンダー |
研究実績の概要 |
申請時の研究計画に基づいて、今年度はインタビュー調査とアンケート調査を実施した。 1)インタビュー調査について 14人実施した。インタビュー協力者は高齢の年齢層が10人、子育て中の世代など比較的若年・中年層が4人行うことが出来た。インタビューの結果の詳細な分析はこれからであるが、今回初めて高齢期の男性にインタビュー調査を行い、家事の経験については年齢による違いが大きいことが浮き彫りになった。インタビューに協力してくれた現年齢が高い男性たちは、現在料理などの家事を日常的に行っている人が多く、また主夫役割を行っている人もいた。これは高齢期ならではのライフイベント、妻の早世、入所などで、主に家事をせざるを得ない立場になったことによる。また彼らの多くは、子どもの時に比較的強度の高い家事や家業の手伝いを行っており、家事についてのスキルは子どもの頃の経験とも関連付けられる。一方、中年期の男性たちのインタビューからは、高齢者と比較すると、学校期、高校時代に行っていた部活動や一人暮らしの経験との家事スキルの関連が多く見られた。インタビュー調査で得られた知見は、日本家族社会学学会で発表の予定である。 2)アンケート調査について 男性を調査対象者として、家族や家事分担についてのアンケート調査の準備を進めた。調査項目の精査を行い、調査項目を確定した。調査内容は現在の自身と配偶者の仕事の状況、現在行っている家事、家庭内の重要事項は誰が決めるか、子どもの頃の家事経験、生育家庭において父親が行っていた家事育児、夫婦間のパートナーシップなどである。アンケートは紙媒体で行い、現在600~700部程度労働組合などを通じて配布中であり、すでに実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究助成金を受けた当初は、大学の教員として着任して2年目であり、授業準備や学科の教務担当などに慣れることを優先せざるを得なかった。そのため十分な研究時間を取ることが難しかったこと、また若手研究は単独での実施であるため、他の研究者と協力分担することがないため、遅れを取り戻すことが難しいなどがその理由として挙げられる。 また、2020年3月より新型ウイルスによる学内対応に多くの時間を割かれ、遅れを取り戻すことが難しかったことも挙げられる。 また、学術的なアンケート調査を一人で準備するのはかなりの困難を要した。調査項目の洗い出しから、料金の後納郵便の手続きまですべて一人で行う必要があった。 しかしながら、現在はすでにこれを実施している段階であり、2020年度にはこれをデータ化し、分析を行っていく段階となっているため、研究スケジュールとしては遅れているものの成果が見込まれる段階にあると思う。
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査とアンケート調査それぞれの項目について述べる。 インタビュー調査について アンケート調査についてはすでに実施中であり、相当のデータの収集が見込まれる。また、アンケート調査に答えた人から、これまでの私の知人の知人などといった縁故者を中心としたものでないインタビュー対象者を得ることができるかもしれず、多様な語り手を集められる可能性があり、これまでにない多様な声を拾うことができる可能性がある。ただこれまで集めたデータについては夏頃にはいったんまとめるつもりで、日本家族社会学会で一部成果を発表する。 アンケート調査について 現在実施中であり、どれくらい返送数があるかはわからないが、できるだけ省力化して早くデータ化を行い、分析を行う段階とすることが重要である。今年度中に論文として発表するところまでは難しいかもしれないが、研究ノートのような形で少しずつアンケートの結果を外部に発信できるようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画において実施する予定だったアンケート調査の実施が遅れたため。今年度残した額については、次年度郵送料、印刷費、データ入力の人件費などアンケート調査の実施や集計に関わる費用に充てる予定である。
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