研究課題/領域番号 |
18K12951
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
熱田 敬子 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (20612071)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ジェンダー / フェミニズム / 戦時性暴力 / 社会運動 / ライフストーリー |
研究実績の概要 |
2020年度は、新型コロナウィルスの影響により海外調査が実施不可能になった。さらに、2019年度3月に開催予定だった国際シンポジウムも中止せざるを得なかった影響を受け、研究計画は大幅な変更を余儀なくされた。 そこで、(1)昨年までに収集した、日本・中国の現地文献資料の分析(2)日本国内の調査対象者のインタビュー調査を優先して行った。その結果、日本軍戦時性暴力/性奴隷制の被害女性たちが、どのように名乗り出るに至ったかという経緯と、それを可能にした社会構造が明らかになり、現在雑誌投稿論文として準備中である。これまで、日本軍戦時性暴力/性奴隷制の調査報告が少なかった香港についても、香港の占領史に詳しい専門家とコンタクトを取り、現地文献を収集することができた。 また、#MeTooなど、近年のジェンダー、フェミニズムに関係する社会運動と日本軍戦時性暴力/性奴隷制被害者の名誉回復運動がどのように社会構造上連続しているのかについて、植民地支配、社会階層の視点を含めて韓国・中国の関係者に聞く研究会に参加、運営し、理解を深めた。この成果は2021年内に出版を予定している。 また、本研究計画のフィールド調査について大学のゲスト講義、一般向けの講演会で本研究成果について発表する機会を持つことができ、一般への成果還元を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査の実施ができないことで研究計画の変更を余儀なくされたものの、研究課題の中で関連する実施可能な項目に計画を振り返え、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在のところ順調に進展しているものの、積み残した海外調査について昨年に引き続き、2021年度も実施のめどが立たない。これについて、新型コロナウィルスの流行次第で、1年の研究期限延長を申請し、2022年度に調査を行うことを考えている。 2019年に中止となった国際シンポジウムについては、出版をもってシンポジウムに変える計画を立て、現在関係者で調整中である。 引き続き、成果の雑誌投稿、国内の調査などを優先して2021年度の研究を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年新型コロナウィルスの影響により、海外調査が実施できなかったため。また、2019年度に本研究プロジェクトで実施予定で中止となった国際シンポジウムの積み残しも、2020年度も実施ができなかったために積み残している。 海外調査については、2022年に実施するよう研究費使用の延長申請を出すか、別の調査に振り替えるかを検討している。国際シンポジウムについては、出版に振り替える計画を立て、現在準備を進めている。
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