研究課題/領域番号 |
18K12956
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
團 康晃 大阪経済大学, 人間科学部, 講師 (90800962)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 読書経験 / メディア論 / ソーシャルメディア / メディア環境 / 相互行為 / メディアミックス |
研究実績の概要 |
子どもの読書経験の変化に大きな影響をもったと考えられる「子どもの読書活動の推進に関する法律」および関連する様々な施策についての歴史的な展開について整理を行い、各種研究会での報告を行った。 次に子どもの読書経験の変化を明らかにするためのアプローチとして、学校図書館調査をはじめとする各種読書調査の結果の整理を数名のアルバイトと共に行った。特に読まれたコンテンツの変化を書き手の背景とメディア経験の基盤となる環境の変化に注目して整理している。現状で言える点として、読まれた書籍の作者の変化(専業作家なのか、マンガ原作なのか、映画原作なのか、等)は明確にあるといえる。また、書籍の形態(文庫、新文芸など)の区別に注目することも重要であることが示唆された。 ただ、2018年度でデータの整理をすべて終わらせることができていない。2019年度も引き続きデータを整理し、整理が終わり次第分析を行う。 また、より具体的な分析としては2000年代にブームとなったケータイ小説や「小説家になろう」をはじめとするオンライン小説のコンテンツの特徴についての分析を行った。オンライン小説の執筆過程の構造を分析した。オンライン小説はそのプラットフォームの特性より、公開されたコメント欄を閲覧することができる。ここで読者と作者は如何なる相互行為を行い、如何にして読者コメントは作品に反映されるのか、その相互行為の特徴を明らかにした。この結果をAIEMCAにて個人報告として行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している。 各種調査データの整理は、当初より二年はかかると予定していたので、今年度も継続して進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
子どもの読書活動の推進に関する法律およびそれに関する様々な取組の歴史的な展開については、論文化を目指す。 各種調査のデータの整理を完了させ、子どもの読書経験の変遷についての分析を進める。 オンライン小説の相互行為分析は前年度の内容をさらに発展させ、学会報告および書籍化をめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加が国際学会一度に限られたため旅費の使用が少なかったが、2019年度は複数の学会での参加を予定している。また、データ入力等、人件費も今年度は増える予定である。
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