研究課題/領域番号 |
18K12957
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
平野 孝典 桃山学院大学, 社会学部, 講師 (70803691)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 自殺 / 若者 / 非正規雇用 / 不安定就労 / パネル調査 |
研究実績の概要 |
非正規雇用の増加に代表される雇用の不安定化は、若年層の自殺動向に大きな影響を与えると想定されるが、非正規雇用と自殺との関係については研究が乏しく不明な点が多い。本研究の目的は、非正規雇用に従事することが若年層の自殺の危険性に与える影響を明らかにすることである。 本研究の特色は、第1に、大規模な横断的調査によって、非正規雇用が自殺の危険性に与える詳細なメカニズムを明らかにする点である。第2に、縦断的調査(インターネット・パネル調査)を実施し、非正規雇用に従事することが自殺の危険性に与える因果的な効果の有無を明らかにする点である。 申請時よりも予算が減額されたことにより、2018年度は調査計画のすべてを再検討した。質問項目やサンプルサイズは予算の制約を受けるため、やむを得ず両者を削減することにした。第1波調査の目標回収数は2000とした。サンプルサイズの減少は分析に大きな影響を与えることから、調査対象者の脱落を少しでも防ぐため、調査間隔を1年間から半年に縮めることにした。その結果、第1波調査は2019年5月、第2波調査は2019年11月、第3波調査は2020年5月に実施することにした。そのため、当初の計画で予定していた2018年度調査(第1波調査)は2019年5月に延期することとなった。このほか、調査対象者も20歳~34歳から20~29歳に変更した。 以上のように、調査計画の見直し・縮小はしたものの、すでに第1波調査の実査は進んでおり、2019年度以降は研究計画を円滑に実施することが期待できる。このほか、無職者の自殺の危険性に影響を与える要因を検討したり、孤立が自殺の重大な危険因子であることを社会調査データの計量分析によって明らかにした(研究実績の欄を参照)。これらは直接的に研究課題に関わるものではないが、分析結果は調査票の作成に大いに役立った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、2018年度に予定していた第1波調査を実施することができなかったため、「やや遅れている」とした。しかし、第1波調査は2019年5月に予定しており、すでに実査が進んでいる。そのため、2019年度には計画の遅れを取り戻すことができると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は第1波調査(2019年5月)、第2波調査(2019年11月)、第3波調査(2020年5月)を予定通り実施することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
上記の通り調査計画の変更を余儀なくされたため、予定していた2018年度調査が実施できず、次年度使用額が生じた。これについては2019年度に実施する調査費として使用する。
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