研究課題/領域番号 |
18K12966
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
江連 崇 名寄市立大学, 保健福祉学部, 助教 (20725022)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 更生 / 監獄 / 教誨 / 近代仏教 / 更生保護 |
研究実績の概要 |
本研究は、明治後期から大正期における「罪を犯した人」に対して監獄・出獄人保護所においてどのような福祉的実践が行われてきたのか、また新聞や専門誌、出版物等において関係者間でどのような議論がなされていたのかを明らかにするものである。 2018年度は先行研究の整理検討を中心に行い、社会事業史研究、更生保護史研究における到達点と今後の課題について明らかにした。また、資料調査として国立国会図書館や地方図書館において、明治・大正期の更生保護に関する文献の調査にあたった。 先行研究の整理検討では、特に社会福祉史研究、近代仏教史研究の第一人者である吉田久一の著作の検討にあたった。吉田は、更生保護史について、その担い手として大多数を占めた仏教者たちの実践を丁寧に取り上げ分析を行っている。そして、それらは近代仏教史の中で、更生保護活動の中心ともいえる監獄教誨活動の位置づけについて言及をしており、大変示唆に富むものである。また、批判的検討により、課題等も見つけることができ、本研究(明治後期における監獄・出獄人保護施設の実践史研究)の今後の方向性を再検討することが可能となった。 なお、これらの研究成果については、「監獄教誨からみる吉田史学の『福祉と宗教』」と題して日本仏教社会福祉学会、社会事業史学会、日本近代仏教史研究会共催シンポジウム(2018年11月24日:淑徳大学)で報告を行い、多くの歴史学研究者、社会福祉研究者からアドバイスをいただけた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画では、本年度は先行研究の整理検討と資料調査としており、先行研究のレビューについては若干限定的な部分はあるが、おおむね順調に進展しているといえる。また資料収集についても予想されていた記事等は確認することが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は資料収集、整理を継続して行い、これまで収集した史料の整理・分析を中心に行う。また中間報告として研究会において報告を行い、専門的知識のある社会福祉史研究者、更生保護史研究者と意見交換をする予定でいる。それにより本研究が順調に継続し、また対象史資料の検討もすることが可能と思われる。
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