長引いた新型コロナウィルスの蔓延と感染症対策下において本研究は遅れぎみであったものの、本年度は予定していたすべての調査研究を実施することができた。本研究は、生活困窮対策を利用する人々の抵抗とスティグマについて質的分析を通じて実態を明らかにすることが目的である。本年度の研究・調査実績は、以下のとおりである。 第1に、生活保護を利用する人々(当事者)に対する抵抗とスティグマに関するインタビュー調査を実施した。そしてその成果を「北海道社会福祉学会 研究大会」にて口頭発表し、最新の研究成果を公表し、社会に発信することができた。特に生活保護を利用する人々のスティグマの実態については、参加者の関心度も高く生活保護法制度との関連や、被保護者の思いや考え、実態等についても質問をいただき、議論を深めることができた。なお本研究成果は次年度、学術論文として投稿予定である。 第2に、生活困窮者自立支援を利用する人々(当事者)の抵抗とスティグマに関する研究成果を学術論文として投稿・掲載となり社会に発信することができた。 第3に、感染症対策下において研究計画を変更し調査を実施した生活困窮者自立支援、生活保護を担う援助者に対してインタビュー調査の分析を進めることができた。この点は、先述の2点とともに、連関性を持ちつつ分析し、取りまとめる今後、取りまとめる予定である。 以上のことから、感染対策下の影響を受けつつも、本年度、予定していた調査を完了することができ、研究成果を社会に発信することができた。
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