学術的意義として、「生活」を視点におき生活者の実践から社会事業の形成を検討する方法を取り入れることを試みている点がある。この視点は、社会福祉史研究はもちろん、地域福祉研究においても意義のある成果であったと考える。また、この視点に基づき検討を行った結果、従来の研究と異なる状況を明らかにすることが出来た点は、社会福祉史研究における社会事業の形成過程に新たな観点を付け加えたという意義がある。 また、社会的意義としては、「地域共生社会」が指向される今日において、地域における社会福祉の歴史が明らかになり公開されることにより、地域住民の福祉意識や地域への関心を高めることにつながることがあげられる。
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