研究課題/領域番号 |
18K12979
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
高石 啓人 山梨県立大学, 人間福祉学部, 講師 (10772238)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 権利保障 / 子どもの最善の利益 / 意見表明権 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、子どもの権利条約に基づくスクールソーシャルワーカー(以下SSWr)と教師の連携において、SSWrの役割を明らかにすることである。本年度は、今まで得られたデータを再分析し、2021年度の調査に向けて質問紙の項目を検討した。本来であれば、調査は2020年度に実施予定であったが、新型コロナウイルスの影響等により、2021年度に実施することになった。本年度は、大きく分けて2つの観点から分析を実施した。 具体的には、SSWrの実践を分析することで、子どもの権利保障がどのように行われているのかを検討した。SSWrは子どもの権利保障において、最善の利益を確保するために様々な権利保障に努めていた。その中でも特に、意見表明権を重視していることが明らかになった。他にも虐待からの保護、教育を受ける権利、生命・発達の権利など、幅広い権利の保障に関わっていた。しかし、その一方で意見表明権がどの程度確保されているのか等、実際に検討することが困難な事例もあった。 また、質問紙作成のために子どもの権利に関する理論の研究を行い、SSWrと教師の連携において子どもの権利保障がどのように表れてくるのかを検討した。ここでも子どもの最善の利益の確保のために、意見表明権の必要性が指摘された。しかし、そうした実践はSSWrが重要だと認識していても、教師がどのように認識しているかは検討課題だと考えられた。そのため、質問紙作成の前段階として、教師がそもそもSSWrをどのように捉えているのかについても検討を重ねた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
質問紙項目の策定は進んでいるが、新型コロナウイルスの流行により、いくつかの調査が実施できなかった。これらの調査は2021年度に実施予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに検討してきた質問紙の項目を反映させ、調査を実施予定である。他にもインタビュー調査などについて対面での実施を検討してきたが、難しいと判断したため、非対面による調査も検討している。具体的には、インターネット、オンラインを利用した調査も検討中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行に伴い、調査が実施できず、次年度に実施することになったため
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