本研究は、介護支援専門員に対するサポートを継続的に行いため、その体制のモデルを構築し、活性化に向けた方策について実証的に明らかにすることを目的とした.初年度である平成30度の研究の目的は、介護支援専門員に対するサポート体制の特徴と新たなサポート源の抽出しため、国内外の文献研究を行った。その結果「実践共同体(community of practice)」という概念を抽出した。 その具体的な内容と概念を明確にするために、「実践共同体(community of practice)」が活性化されている海外のケアマネジャーに対するインタビュー調査を実施した(事例研究)。1次分析の結果、活動内容とカテゴリーについては、57の概念を抽出し、12個のカテゴリー(参加を阻害する組織の構造的な要因、活動参加への組織の理解、省察的思考を用いた実践を行う、利用者理解を深める、情報共有を通した実践能力の強化、相互スーパービジョン体制の構築、成長の場、自律性の力の経験、適切な負荷の必要性、情報の蓄積、実践家が連帯できる機会、活動成果の拡散)にまとめられた。最後に4次元(所属機関の次元、クライエント(利用者)の次元、ケアマネジャー次元、社会的次元、実践家が連帯できる機会、活動成果の拡散)に分類した。現在、2次分析を行っている。その研究から示唆された内容を中心に、日本における介護支援専門員の実践共同体に関するインタビュー調査を実施する予定である。
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