シルバー人材センターで就業する会員においても、約3割程度は認知機能の低下が見られ、近い将来に認知症を発症するリスクのある会員もみられた。これらの会員は、認知機能低下が見られない会員と同等に就業しており、一見して認知症リスクを持つようには見えない。会員や事務局職員とのディスカッションにおいても、就業できていることが認知機能低下の実態を見えにくくしている可能性がある点、認知機能低下に起因する事故を防ぐためには、シルバー人材センター全体を通して認知機能低下、とくに軽度認知障害と言われるような認知症発症手前の症状を捉えるための知識の獲得と共有が必要であると考えられた。
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