研究課題/領域番号 |
18K12990
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研究機関 | 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター |
研究代表者 |
藤生 大我 社会福祉法人浴風会認知症介護研究・研修東京センター, その他部局等, その他 (90812115)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 認知症 / 介護者 / ポジティブ心理学 / 介護肯定感 / 介護負担感 / ポジティブ日記 |
研究実績の概要 |
認知症家族介護者のポジティブな面の気づきは、介護負担感軽減や認知症(被介護者)の行動・心理症状 (BPSD)軽減等、良い影響を及ぼすことが明らかとなってきた。しかし、認知症介護のポジティブな面を評価する尺度はなく、エビデンスレベルの高い介入研究はない。そこで本研究は、①認知症介護のポジティブな面を捉える認知症介護肯定感尺度の妥当性・信頼性等を検討すること、②ポジティブな面の気づきを促す介入として、家族介護者にポジティブ日記(1日にあった良いこと3つとその理由、及び自分を褒める言葉を記載する日記)を用いた介入をRCTで実施し、その効果を検討することの2つを目的とした。 まず、ポジティブ日記の構成を家族介護者などの意見を参考に検討した。また、対象者のリクルート方法を研究協力者と検討した。その結果、ポジティブ日記の記入枠の拡大、説明欄に先行研究の結果の図表などを盛り込むなどの変更を行った。リクルートは、対象者の負担等を考慮し、居宅ケアマネジャー等の信頼のおける担当者を通じて実施することとした。また、評価・説明等は研究代表者が直接行うこととした。上記方針のもと、ケアマネジャー連絡会等を通じて研究協力者も募ることとなった。 その後、試作版から因子分析等によって項目が選定された認知症介護肯定感尺度を用いて、在宅の認知症家族介護者へポジティブ日記の介入研究を開始した。介入の効果は、介護負担感(ZBI_8)、介護肯定感(認知症介護肯定感尺度、西村の介護充実感尺度)抑うつ(CES-D)等を評価し、被介護者のBPSD(NPI-Q)も評価した。家族介護者は、地域(紹介者)ごとに無作為に介入群、対照群にわけた。介入群はポジティブ日記を4週間実施し、対照群は一言日記を4週間実施し、その後ポジティブ日記を実施することとした。 現時点で、介入群7名、対照群6名に実施しており、リクルート等継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
認知症介護肯定感尺度の信頼性などの検討のために郵送法で取得予定であった縦断データ等は、対象者の負担と回収率を考えて介入とあわせて取得することとした。そのため、解析は先延ばしとなった。しかし、本年度予定していたポジティブ日記の介入の準備まで終了しており、研究全体としては順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
ポジティブ日記の介入研究を通して、認知症介護肯定感の信頼性などの検討に必要なデータもあわせて取得する。また、介入は最終年度に予定していたが、ケアマネジャー等の研究協力者に確認したところ、リクルートが難航することが予測されたため、早期に介入を開始して対応している。 成果は適宜、学会発表や原著論文としてまとめるなど公表していく。
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備考 |
完成し、介入で使用しているポジティブ日記のPDFを無料でダウンロードできます。
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