研究課題/領域番号 |
18K12991
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐々木 銀河 筑波大学, ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリアセンター, 准教授 (80768945)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 児童福祉施設 / PDCAサイクル / 行動評価 |
研究実績の概要 |
本研究では「行動評価支援ツール」を開発・実装し、多様な児童福祉施設等の職員における記録・分析作業に費やす時間や負担感を低減しながら、外部支援者なしで職員の支援行動の適切な実行および利用者の支援目標の達成を促進するか明らかにすることを目的とする。 2018年度は、本事業を通じて行動評価支援ツールのプロトタイプの開発を進めた。行動評価支援ツールはタブレット・スマートフォン端末を主な利用媒体としたWEBアプリケーションとして開発し、職員自身の行動と利用者の行動を児童福祉施設職員が直感的なユーザーインターフェース(UI)により簡便に記録できるように開発された。2018年度の開発では、職員が行動記録を行う部分を中心に改修を進めた。 また、開発されたプロトタイプを用いて、1箇所の児童発達支援事業所における職員と利用者を対象に、紙媒体による記録と行動評価支援ツールによる記録で、職員の記録・分析にかかる時間や負担感にどのような差異が生じるか比較した。各記録条件を交互に入れ替える研究デザイン(ABABデザイン)により、記録開始から完了までの記録時間等を評価した。その結果、行動評価支援ツールによる記録は紙媒体での記録と比べて、初頭の記録時間の増加が見られたものの、数回程度の試行を経て、最終的には紙媒体による記録時間の4分の1まで職員による記録時間を削減すること示された。 2018年度の研究成果については、2019年度に学会発表等を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年度に目標としていた紙媒体と行動評価支援ツールによる記録の差異を検証し、行動評価支援ツールの有用性を示した点で、当初の計画通りに進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、2018年度に対象としなかった児童福祉施設における職員と利用者を対象に、行動評価支援ツールの導入により、外部支援者なしで職員が支援計画を提案し、計画通り支援を実行し、複数の利用者における情緒・行動上の問題の低減や支援目標の達成がもたらされるか(=PDCAサイクルの確立)を検討する予定である。研究推進にあたり、年度当初では行動評価支援ツールの改修を進め、年度後半より、児童福祉施設での研究に着手する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年度における行動評価支援ツールの開発費が当初予算よりも安価に遂行できたため、2019年度の行動評価支援ツールの改修経費として次年度使用額とした
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