研究課題/領域番号 |
18K12996
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
松田 智行 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10523475)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者福祉 / 経済格差 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
経済的な状況に関わらず、介護が必要な高齢者が介護保険サービスを利用できることを目的に、高齢者の所得状況と介護保険サービスの利用との関連について研究を推進してきた。これまで、介護保険制度導入前後において、低所得者が介護保険サービスの利用を控えた可能性が低いことを報告したが、現在、わが国の高齢者において経済的な格差が広がり、経済状況が苦しい在宅要介護高齢者は、介護保険サービスの利用を控える可能性があるのではないかと考えている。特に、介護保険制度において、リハビリテーションサービスは、将来の日常生活の改善を目的とする先行的なサービスため、経済的に余力が少ない低所得者は、リハビリテーションサービスの利用を控える可能性があるのでないかと考え、本研究ではリハビリテーションサービスに着目して研究を実施している。 本研究では、介護保険制度におけるリハビリテーションサービスのうち、通所および訪問リハビリテーションの利用に関連する要因を、利用者の経済状況や世帯の介護力、利用者の重症度など多様な要因との検証を行い、経済状況の苦しい在宅要介護高齢者のリハビリテーションサービスの利用の状況について把握することを目的とする。これまで「A市高齢者保健福祉計画策定に係るアンケート調査」に基づきデータ分析が可能な準備を整え分析を実施し、リハビリテーションサービスと経済状況との関係性の実態把握に努めた。2020年度から2021年度において継続してのデータ整理及び分析に努めたが、新型コロナ感染症の影響による影響を受け分析などに時間を要する状況となっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年度から2019年度において、介護保険制度におけるリハビリテーションサービスの利用と経済状況との関係について、データ解析のため準備(①)を行い、探索的な分析(②)を、下記の通り実施した。 ①データ解析のための準備:「A市高齢者保健福祉計画策定に係るアンケート調査」のデータ特性上(アンケート調査をもとに整理されたデータ)、分析可能なデータとするための作業が必要であり、その作業を実施した。 ②リハビリテーションサービス利用と経済状況との関係に関する探索的な分析:研究開始年度の直近に行われた2017年度実施のデータを用いて、リハビリテーションサービスのうち訪問および通所リハビリテーション利用と経済状況との関係について解析を行い、経済状況については所得や経済負担感の視点から分析を行い、傾向を把握した。 経時的な傾向の把握のため、2017年度以外のデータを分析する予定であったが、データの整理・分析に時間を要し、2020年度から2021年度は、新型コロナウイルスの影響を受けた。2021年度にデータ整理が可能となったが、引き続き分析が必要な状況となったため。
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今後の研究の推進方策 |
取得したデータを用いて、データ比較を行いながら分析を進めてゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の影響により十分な分析実施が困難であったため、翌年度に分析を行うこととなったため
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