研究最終年度にあたり、研究成果として次の4点を挙げる。 1)これまでの研究成果を広く実践現場に普及するため、支援者が面接場面で用いる面接ツール「あなたへのメッセージ 大切なあなたのために 絵と図でみる・知るDV」(第一版)」および支援者活用マニュアル(ガイド)を作成した。2500部印刷を行い、全国の配偶者暴力相談支援センターおよび児童相談所に郵送にて配布を行った。また、面接ツールを用いたロールプレイ研修プログラムを構築し、その実施により、実践者に支援方策として普及を図った。引き続き普及を図っていく予定である。 2)研究期間中、ステージモデル等を用いた研修プログラムの支援者向け研修講師および事例検討のスーパーバイズを継続し実施した。2022年度は35回(のべ、43回)、本科研期間中5年間で延べ180回実施した。これらは、DV被害者支援のソーシャルワークの視点および実践技術の普及の機会となったといえる。 3)論文報告、学会報告を継続し行った。2022年度は、支援者のグループインタビューの結果の一部が論文として司法福祉学研究において掲載された。DV家庭で育った若者へのインタビュー調査の分析を行い、2023年度学会での報告が決定した。 4)2020年度より本科研において開催していた「DV被害者と子どもの支援研究会(FaV-RIC研究会)」は、本科研が最終年度となることから「DV被害者と子どもの支援実践研究会(FaV-RIC実践研究会)」として「DV・児童虐待併存ケースの子ども家庭福祉等実践モデルと専門職育成に関する研究」を基盤として開催する形へと移行し、これまでの成果を継続し発展させる形を整えた。
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