研究課題/領域番号 |
18K12999
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
福間 隆康 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (30410509)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 離職意思 / 組織コミットメント / 職務満足 / 役割ストレス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、企業に入社した障がい者が組織社会化されるプロセスを分析することによって、職場定着と離職を分ける要因を明らかにすることである。
本年度は、重要文献をレビューしたうえで、一般企業および特例子会社の人事担当者と精神障がいのある従業員に対するインタビュー調査を行った。その結果、職業レディネスが高い者、仕事意欲が高い者、支援機関と密接に連絡を取っている者、自信をもって働いている者、職場の上司および同僚との人間関係が良好である者は就業継続意思が高いことがわかった。また、役割荷重であるとストレスを感じ、離職意思が高まること、正社員としての雇用保障が転職意思の低下につながっていること、高い賃金よりも配慮のある働きやすい職場環境を重視していること、先輩社員が新入社員の面倒を継続して見ること(ブラザー・シスター制度)が就業継続意思に肯定的な影響を与えていること、昇進は望んでいる者と望んでいない者がいるものの、仕事意欲の向上に寄与すること、部署の異動は慣れないため、最初は仕事への不安が高まるが、慣れてくると安心感につながることがわかった。
入社後、組織への帰属意識は変化することが予想されるわけであるが、本研究では特に、精神障がいのある従業員の組織コミットメントについて分析を行った。その結果、入社初期や部署を異動した時期、成長を実感することができなくなった時期、職場の上司および同僚との人間関係が良好でなかった時期、不得手の仕事をしていた時期は組織への愛着が低下するものの、職場の上司および同僚との人間関係が良好な時期、仕事が楽しいと感じていた時期、昇進した時期は情緒的コミットメントが高まることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究の検討が順調に進んだ。インタビュー調査については、全部で11社の協力が得られ、有益な情報を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は一般企業および特例子会社の障がいのある従業員を中心に進める。5社を目標にデータを収集する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、1月に実施した情報収集のための旅費が予定していた金額より少なかったことがあげられる。
次年度のインタビュー調査に伴う旅費としての支出を予定している。
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