本研究は、企業に入社した精神障がい者が組織社会化(個人が組織と仕事に馴染んでいく過程)されるプロセスを分析することによって、職場定着と離職を分ける要因を明らかにすることを目的としている。 理論的検討、質的調査および量的調査結果の分析の結果、精神障がい者の組織適応タイプには、3つの型が存在すること、組織に上手く適応している者とそうでない者の間には、プロアクティブ行動(個人が自分自身や環境に影響を及ぼすような先見的な行動)、職務特性(仕事の複雑さ)、ソーシャルサポート(他者から与えられるさまざまな物質的、心理的援助)について数多くの相違が存在していることが明らかにされた。
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