高齢者ソーシャルワークにおけるインボランタリー・クライエントへのアウトリーチに関する文献調査を行った。海外文献の検索を行い、アウトリーチに関する文献は多くヒットしたが、高齢者ソーシャルワークの分野におけるインボランタリー・クライエントにへのアウトリーチに関する文献は多くはなかった。それらの文献のまとめや共通項目に関する分駅は途上であるが、欧米における文献だけではなく、中東、アジアにおける研究論文も検索できたことの意義は大きい。 わが国だけではなく、海外にも接近困難なクライエントやサービス拒否者が存在し、福祉サービスではよくみられる傾向にある。接近困難なクライエントは、ソーシャルワーカーなど支援者からみて、接近困難な状況にあることに加え、孤立に伴うリスクに直面しているからこそ支援が必要だという指摘があった。このリスク概念は、ソーシャルワークにおいて大変重要な鍵概念である。接近困難なクライエントなどインボランタリー・クライエントにソーシャルワーカーがアウトリーチするのは、このようにソーシャルワーカーなどの支援者から客観的にみてクライエントが何らかのリスクに直面していることを把握し、何らかの支援が必要だとアセスメントを行うからである。このリスクの回避や軽減に向けてソーシャルワーカーはクライエントにアプローチ(アウトリーチ)するのであるが、そのアプローチの介入モデルが十分に確立していない。国内外の研究論文から介入のエビデンスを抽出する必要がある。
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